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2018.09.26

子どもを語学の天才にするために、大人は工夫の天才になろう

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大切なのは、完璧に喋ることより臆せずに自分の考えを伝えること

 大学で、教職を目指す学生の指導方法として、例えば、宿題を出すときに、クラス全員に同じ問題を出すのではなく、いくつかの問題を提示して、どれかをやって来るような形で指示することがあります。また、簡単なクイズをするときも、10問×10点で100点満点のもの、2問×50点で100点満点のものなどを用意し、学生に選択させる方法を取り入れることがあります。結局、学習量はどのパターンを選んでも同じになるのですが、学生自身が選択できるという要素が加わると、モチベーションや自律性が大きく変わってきます。こうした取組みや経験を自らが教員になったときに活かして、より良い学習法・指導法を見出していって欲しいと考えています。

 日本人は外国語の習得が得意ではないと言われますが、与えられた課題に対して真面目にコツコツと取組む国民性は、むしろ語学学習に向いていると思います。その意味で、大学の入試に英語の4技能が加わったことは良いきっかけになると考えられます。課題がはっきりとし、スピーキング学習のモチベーションが高まるはずです。すると、小学校における英語教育も重視されてくると考えられます。小学校の先生も、自身の英語力の上達を目指す真面目な人が多いのですが、重要なのは、先生が上手に喋ることより生徒にたくさん喋らせることです。いま、日本人にとっては、アジアの人たちなど英語を母語としていない人と、英語でコミュニケーションするケースが増えています。そのとき大切なのは、発音も文法も間違えずに完璧に喋ることより、臆せずに自分の考えを伝えること、相手の言うことを理解しようとすることです。英語を教えるときも、それが基本になるのではないかと思います。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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