
2023.03.23
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
グローバル社会に生きる現代人にとって、英語などの外国語習得は基礎条件となっている。世界で勝負するために、発信力を高めるために、外国語をより効率よく習得することが求められる。キーワードは、「自律学習」のための「メタ認知」と「インタラクション」にあった。
――英語をはじめ、外国語教育のあり方が大きく変わりつつあります。現在の日本の英語教育について、どのようにお考えですか。
良い方向へ変わってきた部分と、まだ変わっていない部分がありますね。現在の新しい学習指導要領では、高校の英語の授業は英語で行うということになっており、すでに60%以上の高校で、日本語は使わない英語による英語の授業を実施しています。文科省の調査では、つい数年前までは5%ぐらいでした。現在、山梨県や北海道、愛知県などでは、すべての公立高校で英語による英語の授業が行われています。したがって、教員採用のときでも本当の英語力が求められるようになってきました。そのせいか、明治大学国際日本学部の私のゼミからも今年は多くの学生が教員に採用されました。英語力と英語による指導力が関係しているのではないかと考えられます。
ただし、高校の教科書の内容はまだまだと言わざるをえません。文法中心なのです。問題は国立大学の二次入学試験ではないかと見ています。いくつかの国立大学の二次入学試験では、「明治時代の英語」ではないかと言われるほどの試験内容が、いまだ出題されている例もあります。