Meiji.net

よき教え子に恵まれた師ほど幸せな者はいない
2025.11.19

座右の銘、私のモットーよき教え子に恵まれた師ほど幸せな者はいない

リレーコラム
  • Share

教授陣によるリレーコラム/座右の銘、私のモットー【5】

「教えることとは学ぶことである」——これは私の座右の銘であり、日頃から実感している言葉でもあります。

私は大学という教育研究の場で、自分の研究とともに後進の教育に携わることができ、非常に恵まれた環境にあると思っています。

一人の研究者であり教育者としては、「難しい事象を難しい概念と言葉を用いて難しく説明することほど容易なことはなく、難しい事象を平易な言葉を用いて、平易に説明することほど難しいことはない」と常に思っています。

難しい事象であっても平易な言葉で解し、平易に説明することができれば、大学で教授し学ぶ内容であっても、小さな子どもにも理解できるのではないでしょうか。

このことを可能とするためには、自らがよりよく理解していることが重要であり、自分も教師であると同時に学び手であるとの姿勢を常に肝に銘じているべきだと自省しています。

そして教えることこそが学びの近道でもあり、教えを通じてどれだけ学びを得ることができるか大切だと考えています。

さて、「よき師に恵まれた教え子ほど幸せな者はいない」とは、古くから言われている言葉です。

私も、明治大学で経営学部長を務められた藤芳誠一先生という恩師に恵まれたことが、今の自分に繋がっています。あの日、先生との出会いがなければ、まったく違った人生を送っていたでしょう。

その一方で、私は「よき教え子に恵まれた師ほど幸せな者はいない」とも心から思っています。

教え子とのやりとりの中で、教え方について自問し、反省し、次に活かしていく。その意味では、教師もまた教え子によってつくられるのです。

もちろん、他にも先人の金言や格言といったものは、自分なりにたくさん学んできましたけれども、教員としての歩みを重ねるなかで、今後もこの言葉を胸に刻み続けたいと思っています。

ビジネスパーソンの方々も、自分が後輩や新人を指導する立場になったときに、“教えることこそが自らの学びになる”ということを意識されるとよいのではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Share

あわせて読みたい