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#5 地方創生は都市生活者に何をもたらしてくれる?

奥山 雅之 奥山 雅之 明治大学 政治経済学部 教授

様々な地域と関係をつくることは、自分の選択肢や可能性を広げることになる

この連載の第1回で、地方創生は都市生活者にも大いに関係があると述べました。それは、この連載で解説してきたように、地方が活性化するとは、そこに、人の活躍する職があり、住みやすさがあり、地域外から来た人を受け入れる環境がつくられるということでもあるからです。

すると、例えば、都市で会社勤めをしている人が、会社以外のコミュニティに参加したり、趣味や特技を活かすことで人生をより豊かにしたいと考えたとき、あるいは、ジェネレーションーフリーがいわれる今日、いま勤めている会社の定年後の生活設計を考えたとき、その選択肢には、活き活きした地方が挙がることも増えるはずです。

だとすれば、若い頃からいろんな地域と関係をつくっておくことは、選択肢や自分の可能性を広げることになるわけです。

例えば、「地域おこし協力隊」という制度があります。様々な地域から必要な人材の募集があり、それに受かると、その地域で活動し、報酬も受け取れます。

1~3年間ほどの期間が定められるので、休学などが可能な学生や、いまの仕事から離れることができる人にとっては、貴重な経験ができると思います。

また、短期間の簡単な建築作業や山での作業など、様々な活動のボランティアが求められることもあります。自分の趣味やスキルが活かせる募集のときには、週末などに参加してみるのも良いでしょう。

大切なのは、そうした機会にその地方の特徴や状況を知り、また、人間関係をつくっていくことです。

どんな地域でも多かれ少なかれ排他性はありますが、人間関係をつくっていけば、その地域が自分にとって住みやすいところなのかわかりますし、地域のコミュニティに溶け込めれば、自分の能力を発揮し、活躍もしやすくなります。

このように地域の人たちと多様に関わる人を「関係人口」といいます。最近では、週末ごとに地方に行って様々な活動を通して交流を深めるような都市在住の「関係人口」が増えているといいます。

いま、「働き方改革」が進められようとしていますが、これによって、大企業などに勤めている人も副業や兼業が可能になるでしょう。

すると、そこでの交流が、いままでの仕事からでは得られなかった人間関係や人脈を生み、それがイノベーションに繋がることも期待できます。同じことが、地方との関係でも起こると思います。

重要なのは、ある意味で異文化の人と人の交流が、新たな活動を生むことです。それは「シリコンバレーモデル」でも明らかなことです。

それによって、地方の活性化や創生に繋がることもあるし、あなた自身の人生にも、活性化とイノベーションが起こると思います。

#1 都市生活者に地方創生は関係あるの?
#2 なぜ、世界では「シリコンバレーモデル」が成功しているの?
#3 地方は、よそ者に排他的なんでしょう?
#4 地方は都市より住みにくいでしょう?
#5 地方創生は都市生活者に何をもたらしてくれる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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