
2021.02.24
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
めまぐるしく変化する世界情勢において、企業や組織が生き残っていくために、どんな人材が求められているのか。
さまざまな分野に精通した明治大学の教授陣が考える、これからの日本を担うリーダーに必要な力とは。
明治大学では建学の精神として「権利自由」「独立自治」を掲げています。これは、個人の権利や自由を認め、学問の独立を基礎として自律の精神を養うという理念です。この理念は、例えば私が担当している体育の授業では、学生たちが身体活動をする環境を自分たちで整え、チーム分けをし、練習やゲームを主体的に行っていくことによって内面化することができます。つまり、運動をうまくできるかどうかよりもむしろ、そうした理念に向けた体験をすることが大切なのだと考えています。
「権利自由」「独立自治」という考えは建学の頃から言われていたわけですが、日本の社会はそのときから成長していないようにも思えます。この理念は、今の時代にも十分通じる、今の時代だからこそ社会人として身につけておかなければならないものでしょう。
ただ、日本ではともすると、権利や自由を求めることを個人のわがままとして捉える傾向があります。これは、この理念が私たち日本人が闘って権力側から勝ち取ったものではないからかもしれません。リーダーに必要な資質という以前に、本学の学生をはじめ社会人の皆さんには是非、権利自由、独立自治の精神を持ち合わせてほしいと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。