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#3 地方の生活に関わってみたい!! でも、どうやって?

明治大学 農学部 教授 小田切 徳美

「地域おこし協力隊」をはじめ、様々な「関わり代」から農山村の活動に参加できる。

田園回帰に興味はあっても、いきなり地方に移住するのは不安、という人も多いと思います。そこで、ボランティアやサポートの形で段階的に地方に関わっていくやり方があります。例えば、2009年に総務省が始めた「地域おこし協力隊」です。これは、地域づくりをテーマとして自治体などが人材を募集し、その地域で1~3年間活動してもらう制度です。業務内容は、集落再生や農業支援や、地域特産品を活かした6次産業など、様々です。開始初年度の実施自治体は31で、隊員数は89人でしたが、年々増えつづけ、2016年度には実施自治体は886、隊員数は3978人に達しています。最近は、この制度と類似する、NPO法人などが企画、運営する農村部の長期インターンシップが各地で見られます。それだけ、地方に関心があり、何らかの形で関わりたいという人が増えているのでしょう。ある雑誌の有名な編集長さんはこうした活動を「関わり代(しろ)」があると表現しています。この「代」は、「のり代」の「代」、つまり「何かのため残しておく部分」を意味しています。確かに、森林ボランティアがあるとか、古民家再生のための床の張り替え作業がある、などと呼びかけの情報をうまく発信すると、予想以上に多くの都市の人が集まります。この森林ボランティアであるとか、床の張り替えが、のり代として、地域と都市の人々の人をつなぐ役割を果たしているのでしょう。

皆さんも田園回帰に興味があるならば、まずは、自分の好きな作業や経験のある仕事、あるいは、観光に行ったときに心に残った地域でも構いません。それを、自分と地方ののり代と考え、実際の活動を体験してみてください。こうした関わりの段階を発展させていくと、その地域にある知識や文化に、いままで以上に魅力を感じるようになったり、その地域の人たちからは、頑張ってくれる人として信頼され、自然と地域にとけ込んでいき、その結果、移住につながることもあります。「地域おこし協力隊」の場合、隊員の約6割が、活動終了後に、その地域やその周辺に定住しているという数字もあります。

さらに、注目したいのは、こうして農山村に関わり、移住をした若者の中には、そこでの経験を活かして、都市と農村をつなぐ積極的な行動をする人も生まれています。地域の農産物をこだわりレストランに納入したり、農家民泊のコーディネーターを務める人、世界に向けて情報発信して外国人観光客の受け入れに取り組み人もいます。こうした、都市も農山村も知る方々を私達は「ソーシャル・イノベーター」と呼んでいます。この連載の第1回で、都市農村共生社会に触れましたが、それを実現するために、既に活躍している若者も生まれているのです、

次回は、「地域おこし協力隊」に参加した実例を紹介します。

#1 「地方創生」って、都市には関係ないでしょう?
#2 田園回帰って、どうやったら上手くいく?
#3 地方の生活に関わってみたい!! でも、どうやって?
#4 地方での活動を成功させる方法は?
#5 都市か地方の二者択一じゃなくても良い?
#6 農学部が人気なのはなぜ?
#7 でも、地方は消滅するって本当?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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