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#6 農学部が人気なのはなぜ?

小田切 徳美 小田切 徳美 明治大学 農学部 教授

実習などを通して地方との関わりを実体験し、都市農山村共生を考える。

最近、全国の大学で農学部の志願者が増えているといいます。本学農学部も、特に女子学生が増えているのが特徴です。農学部というと、農業や食品に関わる技術の教育や研究だけを行っていると思われがちですが、実は、「人類の永続性を追求する食料・環境・生命」をキーワードする幅広い学問領域です。この連載で取り上げた農山村問題もその一分野となります。何度も言ってきましたが、そこでは都市を含めた日本社会について考えることも行われています。このような幅広さや実践性が、魅力となっているのかもしれません。

この連載では農山村と関わる様々な活動を紹介してきましたが、本学農学部、特に私が所属する食料環境政策学科でも、日本全国の多数の地域と連携する機会につながるプログラムが実施されています。例えば、1週間農家に泊まって、農作業を手伝う「ファームスティ研修」では、ひとつの収穫物のためにどれだけの手間がかけられ、そして工夫されているかを学ぶことができます。私は長野県のリンゴ生産地域が担当ですが、半数ぐらいの学生は研修後もお世話になった農家と連絡を取りあい、別の時期に自費で手伝いに行くようになったりします。また、ゼミごとに実施される「フィールド調査実習」では、それぞれが対象地域の課題を調査し、市役所の政策提言会に参加したりします。足で稼いだ調査結果や、真摯な姿勢によって、地元の人たちの本音を引き出す役割を果すことにつながることもあります。地域の人たちと向き合うことによって、学生たちは人生観が変わるほど成長する学生もいますし、地域の人たちは、よそ者の学生の目を通して、自分たちの課題に対して当事者意識が高まるきっかけになったりするのです。大学のプログラム自体が、地域の再生に関わっているといえるかもしれません。

学生の中には、これをきっかけとして、卒業後も農山村とかかわる者も出て来ると思います。その際、一番重要なことは、現場から学ぶ姿勢だと思います。問題が発生している地域の中で、複雑に絡まる糸を解きほぐしながら、何が問題の本質なにかを理解するためにも、こうした謙虚さは必要です。そして、それが問題の解決力の基礎となります。おそらく、それは農山村には直接関係のない他の分野にも、共通することだと思います。

次回は、これからの日本社会のあり方について紹介します。

#1 「地方創生」って、都市には関係ないでしょう?
#2 田園回帰って、どうやったら上手くいく?
#3 地方の生活に関わってみたい!! でも、どうやって?
#4 地方での活動を成功させる方法は?
#5 都市か地方の二者択一じゃなくても良い?
#6 農学部が人気なのはなぜ?
#7 でも、地方は消滅するって本当?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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