2024.03.21
ジェンダー格差の改善を阻むものとは
脇本 竜太郎 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授
>>英語版はこちら(English)
近年、女性差別やジェンダーステレオタイプが大きな社会問題として取り上げられるようになってきています。しかし、実際にはなかなか解決されません。それはなぜなのでしょうか。
社会心理学からジェンダー格差を考える
「ジェンダー」という言葉には、生物学的な性そのものによって生じる違いではなく、社会的に作られた期待、思い込みや役割という意味があります。
ジェンダー格差やジェンダーステレオタイプという言葉は、だいぶ耳慣れたものになりました。それだけこの問題に対する関心が強まっているということでもあります。実際、世界貿易フォーラムが発表するジェンダーギャップの世界ランキングは毎年話題になります。
その一方で、ジェンダーステレオタイプやジェンダー格差の改善はなかなか進んでいません。なぜそうなのか、ということを包括的に論じるのは紙面の制約上難しいと思うので、今回は関連する社会心理学の知見をいくつか紹介していきたいと思います。