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「教育は唯一奪われないもの」パレスチナ難民の思いに応える

岸 磨貴子 岸 磨貴子 明治大学 国際日本学部 准教授

越境の経験を重ねることで高まる対応能力

岸 磨貴子 この国際交流学習の経験は、パレスチナ難民の子どもたちだけでなく、日本の子どもたちにとっても大きな経験になりました。例えば、学校では知らないことはなんでも質問して良いと思っていた日本の子どもたちが、パレスチナ難民の子に質問するときには配慮も必要であるということを知りました。その理由を考えることで、世界の出来事やグローバルな問題への理解を深め、世界の見方が変わっていったのです。

 いま、日本では、OECDが変化の激しい21世紀に求められる主要能力として定めたキー・コンピテンシーなど新しい能力の育成をめざして、アクティブ・ラーニングの考えを導入するなど教育改革が進められています。アクティブ・ラーニングでは、子どもたちは話し手になったり、評価者になったり、支援者になったり、グループリーダーになったり、記録係になったり、いろんな自分を試すことができます。また、ICTを使うことで、さらにその可能性は広がります。いろんな自分になるためには、これまでの価値観ややり方が通用しないことがあります。そのたびに、自分の当たり前を問い直し、問いを持ち、視野や価値観を広げていきます。このように今までの価値観ややり方が通用しない越境の経験を積み重ねていくことで、変化する状況にも対応できるようになります。それが、新たな自分を発見するとともに、自分の選択肢を広げ、可能性を広げることであり、キー・コンピテンシーの育成につながることだと考えます。

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