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目的があれば英語は習得できる ―『日本人の英語』の現在―

マーク・ピーターセン マーク・ピーターセン 明治大学 政治経済学部 教授

多くの支持を集めた『日本人の英語』

マーク・ピーターセン教授 私はアメリカの大学院で日本近代文学を専攻し、1980年にフルブライト留学生として来日、東京工業大学で正宗白鳥などの近代文学を研究していました。その時、知り合いを通じて、日本人科学者の英語論文を添削する仕事を依頼されました。その作業で気付いたのは、科学者たちが書く論文に同じような誤りが多く見られたということでした。不定冠詞と定冠詞の使い分け、単数・複数形の使い方、完了形と進行形など、極めて初歩的かつ基礎的な部分で共通の間違いをしていました。その後、日本人の英語に見られる問題点を指摘するという連載を雑誌『科学』で2年間にわたって続けました。日本語で書いたこの連載は、のちに『日本人の英語』(岩波新書)というタイトルで一冊の本にまとめられることになります。これが、私が英語教育に携わるようになった出発点です。
 『日本人の英語』の大きなテーマは、英文に内在する論理がいかに文法の構造に支えられているかということです。また、この本では英語と日本語の構造と論理の違いから生じる日本人の犯しやすい間違いを指摘し、どうすれば英語の「頭脳環境」に入っていけるかについても考察しています。『日本人の英語』は発売後、多くの読者から支持をいただき、今でも読まれているようです。しかし、私がその本を書いた当時も現在も、一般の日本人が書く英文には大きな変化がなさそうです。また、近年の“ゆとり教育”の弊害か、一般の学生の英語読解力は確実に低下しているように感じます。

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