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#6 ライフスタイル・マネジメントってなに?

鈴井 正敏 鈴井 正敏 明治大学 経営学部 教授

自分にとって本当に楽しいことはなんなのか、あらためて考える

この連載を通して、文明化社会の見えないリスクと、それに備えるために運動を取り入れることの重要さを述べてきましたが、最後に、もうひとつ、考えて欲しいことがあります。

それは生活のなかに楽しみを見つけてほしいということです。健康のためにリスクを管理することはもちろん重要ですが、それだけで良いというわけではありません。私たちは、生きがいや熱中できるものをもつことで、活き活きとした人生をおくることができます。それを自ら見出して欲しいのです。

ところが、日本人は往々にして価値観が仕事に偏りすぎる傾向があります。熱中できること、生きがいは仕事というわけです。でも、本当にそうでしょうか。

近年は、仕事や職場の環境がストレスになり、健康を害したり、精神の不調をきたす人も増えています。自分にとって本当に楽しいことはなんなのか、あらためて考えてみる必要があります。

今回のコロナ禍でステイホームが求められ、はからずも、家族と一緒に過ごす時間が増えたり、家でできる運動や趣味を始めた人も多かったのではないでしょうか。その中に、これからも続けられそうなことはなかったでしょうか。

人は、つらいことを続けるのは大変です。でも、楽しいことであれば自ら続けることができます。それが、自分にとって熱中できるもの、生きがいにもなるのです。

このようなライフスタイルを自ら考え構築していくことを、ライフスタイル・マネジメントと言います。それは、自分の人生を活き活きとしたものにしていく工夫なのです。

例えば、一日中、仕事ばかりでは息が詰まります。コロナに怯えて防ぐことばかり考えていては生活が楽しくありません。

でも、ステイホームの中でも、近所をウォーキングすることで新しい景色を発見することがあるかもしれません。仕事が元に戻っても、家族や趣味のことを考えれば、仕事をテキパキと終わらせるようになるでしょう。

まずは、自分の時間を使ってみることです。子どもと一緒に遊ぶと、意外と体力を使ったり、子ども目線の新しい発見に出会うこともあります。面白そうだと思うことにはチャレンジしてみることです。そこから新たな趣味ができるかもしれません。

また、一度手を出したことはやり続けなければならないなどと四角四面に考えることはありません。合っていなければ違うものに変えれば良いのです。いろんなことに一歩を踏み出してみましょう。楽しそうと思うことがあれば、それをやってみてください。

健康をベースに活き活きと暮らせる自分のスタイルを見つけて実行することが、文明化社会での生き方なのだと、私は思います。


#1 免疫力を上げればウイルスに負けない?
#2 運動するほど免疫力は上がるの?
#3 ウイルス以外にも見えないリスクってあるの?
#4 生活習慣病の人はコロナに罹りやすい?
#5 健康に暮らすためには工夫が必要?
#6 ライフスタイル・マネジメントってなに?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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