宗教的な感覚を自覚化することが大切
これまでお話してきたような意味で、私は、現代日本の多くの人は「宗教的」と言っていい感覚をもっていると考えています。そして、もしそうであるならば、その感覚を自覚化することが大切であると思います。
現代、さまざまな形で「宗教」が問題になっていますが、「宗教」を他人事であると考えているあいだは、その問題に本当の意味で取り組むことはできません。そこで何が問題になっているか、また何を問題にすべきかがわからないからです。まずは、自分の中に「宗教的」と言える経験がないかどうか探してみて、もしそういうものが見つかれば、それを手がかりに、いろいろなことを自分のこととして考える、ということが大切ではないかと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。