明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

自動運転を実用化するのは新しい技術と、私たちがつくる制度

田中 絵麻 田中 絵麻 明治大学 国際日本学部 専任講師

制度とは、私たちが私たち自身のためにつくるもの

 完全自動運転サービスに対する消費者の意識を調査した、国際比較データがあります。それによると、アメリカや中国、インドは関心が高く、日本とドイツは低い傾向があるという結果が出ています。

 しかし、新しい技術に対する関心が相対的に低いことは、弊害を生むこともあります。

 例えば、既存の膨大な公的データや民間のデータと、顧客の個人データ等を組み合わせた、いわゆるビッグデータは、一部のプラットフォーマーにその価値を寡占されるような状況も生まれています。

 そのことによって、私たちの消費生活や情報流通も、いわば操られるような状態にもなっているのです。

 さらに、AIやIoT、5Gなどの技術革新も非常に早い速度で進んでいます。自動運転技術もそれらと並行して発展しています。

 なお、先進国の中で、日本は、パソコン・スキルの自己評価も低いというデータがあります。それは、大人も学生も、これまでパソコンに触れたり学ぶ機会が少ないことが原因の一つだと思います。

 その意味では、小学校でプログラミング教育が行われることは良いきっかけになると思います。また、社会人の方々も、自ら学習の場を見つけ、積極的に学ぶこと、また学ぶ機会を社会や企業が提供していくことも意義があると考えます。

 もちろん、それによって私たち一般の市民が新しい技術開発に関われるわけではありませんが、それを運用する制度をつくっていくのは、結局、社会で暮らす私たち一人ひとりなのです。

 社会にとって良い方向に技術革新を進めるためにも、私たち自身が新しい技術やその活用のありかたに関心をもつことは、とても大切なことだと思います。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

社会・ライフの関連記事

行動経済学によって人は自由になる? 従属的になる?

2021.4.21

行動経済学によって人は自由になる? 従属的になる?

  • 明治大学 情報コミュニケーション学部 専任講師
  • 後藤 晶
建築シミュレーションで安心と快適を見える化する

2021.3.3

建築シミュレーションで安心と快適を見える化する

  • 明治大学 理工学部 准教授
  • 樋山 恭助
なにを得るために個人の情報をやり取りするのか?

2021.2.3

なにを得るために個人の情報をやり取りするのか?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 福田 康典
動物の移動や行動がわかると、効果的な環境保全もわかってくる

2021.1.13

動物の移動や行動がわかると、効果的な環境保全もわかってくる

  • 明治大学 研究・知財戦略機構 特任准教授
  • 山本 誉士

新着記事

2021.05.06

現場に足を運び、「目」と「耳」で吸収しよう

2021.04.28

アメリカに、キノコ雲をマスコットにする高校があるのはなぜか?

2021.04.26

様々な分野の知見を結集し、課題解決を図ろう

2021.04.22

異文化交流をきっかけに、人生の本質を見直そう

2021.04.21

行動経済学によって人は自由になる? 従属的になる?

人気記事ランキング

1

2021.04.28

アメリカに、キノコ雲をマスコットにする高校があるのはなぜか?

2

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

3

2019.07.31

万葉集に由来する「令和」に込められた、時代にふさわしい願い

4

2018.01.26

#3 日本国憲法は「押しつけられた憲法」か?

5

2017.10.18

ゲーテッド・コミュニティの実態に迫り、その“可能性”を探る

リレーコラム