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不安? 便利? もう始まっている人工知能が働く社会

福地 健太郎 福地 健太郎 明治大学 総合数理学部 准教授

最近、人工知能(AI)が脚光を浴びています。囲碁のトッププロを破ったプログラム、ロボットが接客するホテル、現実味を帯びてきた自動運転の車などが話題になっていますが、人工知能の発達に期待感がある反面、人間の職が機械に奪われるのではないかという危惧もあります。しかし、人工知能の利用に関して、もっと留意しなくてはならないことが別にあるといいます。

人間が人工知能に取って代わられる?!

福地 健太郎 人工知能に対する関心が高まっていますが、過剰に期待したり、あるいは心配し過ぎたりするのは、問題の本質から私たちの関心を逸らしてしまいます。例えば囲碁において人間のトッププロがコンピュータに破れたとき、コンピュータの知性が人間を超えることを危惧した反応があちこちで見られました。しかしそもそも、人間は囲碁を本当に得意としていたのでしょうか。もともと人間の頭脳は、計算のような、記号処理をひたすら繰り返す作業には向いていません。ですから計算が速くできたり囲碁が上手に打てたりする人はそう多くなく、それゆえ、そうした人間が本来苦手としていることを克服してきた計算の天才やトップ棋士たちは尊敬を集めてきたわけです。そこに、計算こそを得意とするコンピュータが現われると、計算の領域では人間は瞬く間に王座から陥落しました。囲碁でも同じことが起きようとしていると考えられないでしょうか。

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