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先進の光計測技術を活かし、ディーゼルエンジンを進化させる

相澤 哲哉 相澤 哲哉 明治大学 理工学部 准教授

「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」をご存じでしょうか。科学技術イノベーションを実現するための国家プロジェクトで、日本の未来を開拓していく上で鍵となる「国家重点プログラム」のひとつに位置づけられています。現在、SIPには11の課題が設定されていますが、そのうちのひとつが「革新的燃焼技術」です。 これは車のエンジンに関する研究です。なぜ、いまガソリンやディーゼルエンジンの研究が、日本の未来を開拓していく鍵となっているのでしょうか。

ディーゼルエンジンの研究が国家プロジェクトである理由

相澤 哲哉 従来、国家プロジェクトは関連府省が主導する形で進められてきました。しかし、それでは大規模な取組みに対応しづらかったり、縦割りのデメリットなどもあったため、府省の枠や旧来の分野の枠を越え、横断的に取組むことができるプロジェクトとして立ち上がったのが「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」です。現在、11の課題があり、「自動走行システム」や「エネルギーキャリア」といった課題と並んで、「革新的燃焼技術」があります。これは、車のエンジンの革新的技術の研究開発を行うプロジェクトで、このプロジェクトには「ガソリン燃焼チーム」「ディーゼル燃焼チーム」「制御チーム」「損失低減チーム」の4チームがあります。私たちの研究室の一番大きな仕事は「ディーゼル燃焼チーム」の仕事で、このチームの研究に関わる4大学のグループ長を務めています。

 日本の未来を開拓していくイノペーション創造プロジェクトに、ディーゼルエンジンの研究があるというと、多くの人は不思議に思うかもしれません。マスコミや自動車メーカーの発信する情報を鵜呑みにすると、車は電気や水素で走る時代がすぐにやって来るように思ってしまいます。しかし、日本だけでなく世界中のエネルギー研究の専門家によって、30年後もエンジンで走る車が7~8割を占めるという試算が出ています。もちろん、それは電気自動車や水素自動車を否定するということではなく、再生可能エネルギーを含め、これらの技術を研究開発されている方たちには頑張っていただきたいと思っています。しかし現状では、発電から送電、蓄電、消費(車の走行)までトータルに見ると、CO2の排出量もコストも、ディーゼルエンジン(ハイブリッド)の方が勝っているのです。いま、世界中の車のエンジンをすべてモーターに替えたとしたら、大変なことになってしまいます。地球規模で考えた場合、ディーゼルエンジンの方が優れているのが事実なのです。そのため、30年後においてもエンジンで走る車が主流であるという試算がなされるのであり、だからこそ、今後もエンジンの熱効率を高める技術革新は本当に必要で、継続していかなければならないのです。

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