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現代就職の問題を斬る ―一元的な価値観にとらわれている学生と企業への提言―

阪井 和男 阪井 和男 明治大学 法学部 教授

演習が企業へのアピールにつながることに気付こう

阪井和男教授 ――さまざまな問題を抱え、2016年卒の学生から就職活動解禁(=企業の採用広報開始)時期が3月へと延びましたが、現代の就職活動の状況を先生はどのようにご覧になっていますか?

私のゼミは、情報社会論をテーマにしており、毎月のようにゼミ学生が東北の被災地で学習支援を行っており、毎年夏には60数名の学生を夏祭り支援に連れていきます。かつては社会といっても彼らにはピンと来ないためか、人気のないゼミでした。そこで学生と一緒に社会に出て行くことにしたのです。彼らは、ゼミでの支援活動だけでなく、SNSを使って仲間と被災地の手伝いに行ったり、現地の人とつながったりしながら、意識しないままに情報社会論的な生き方をしています。
被災地支援を行っている学生は、就職との関係は意識していませんが、私から見るとマネジメント演習をしているように見えます。いろいろなことをやってみて、上手くいかず、チームの中でさまざまな軋轢が発生し、感情的な問題に発展することもあります。そういった意味で、ものすごく良いマネジメント演習をしているのですが、いざ就職活動となると、それを企業に対してアピールできていないようです。私は学生に、普通の就活をするのではなく、自分の入りたい会社の(人事や総務部門ではなく)CSR部門に行って、自分たちの活動をアピールし、協力を仰いでみてはどうかと言っています。そのときの企業の反応を見れば、その会社が本当に良い会社なのか、そうではないのかが明らかになります。企業から選ばれるのではなく、自分で企業を選んだらどうかと言っていますが、それを実践した人間は、まだいませんね。

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