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現代就職の問題を斬る ―一元的な価値観にとらわれている学生と企業への提言―

明治大学 法学部 教授 明治大学サービス創新研究所 所長 阪井 和男

状況の変化を認識し、自らが変革しなくてはならない

 ――それでは、いま就職活動において、学生と企業に求められていることは何なのでしょうか?

学生も、企業も、チャレンジ、つまり努力することで、自分の能力や性格を変えていける可能性があるという感覚が欠けていると思います。企業は、学生のプレゼンテーション能力など、比較しやすい点に着目し、評価し、採用を決定しています。企業はあらかじめ能力のある人間を採用したり、また、学生は自分には能力がないから駄目だと思ったり、ということがよく起きます。スキルや能力が固定的なものだとすれば、今のスキルや能力を正確に見ることが重要になりますが、それは流動的なものです。与えられた状況や、自分自身がそこに飛び込む覚悟によって、大きく変わってくるということを考えなくてはなりません。
自分に能力がないことを意識するのは、その能力が求められているときですが、あらかじめ都合良くその能力があることなんて、普通はありません。能力がないことを意識した瞬間が出発であり、与えられた状況の中でチャレンジすることが、能力を育成する唯一の方法なのです。そう考えると、学生が自分に合った会社を探して、自分をマッチングさせようという発想は、基本的に間違っていると思います。そうではなく、自分が企業に入ることで、自分の能力も開発しながら、企業にとっての未来も同時につくっていく、そういう関わり方を考えていくべきです。

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