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2017.08.09

多様な世界に飛び込み自分の殻を破るために、いまこそ留学

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幼児からシニアまでの体系的な国際教育システムが必要

 2020年には小学3年生から英語の授業が必修になりますが、これを単なる語学教育で終わらせずに、国際教育の要素を取り入れていってもらいたいと思っています。もともと、幼児には差別意識はほとんどありません。学年進行とともに社会化が始まり、差別意識や排他性が生まれていきます。それが強くなるほど、再教育は難しくなります。いまは停滞しているように見えるグローバリズムですが、これからも国際社会の基本となっていくはずです。そのような社会では、国際感覚や異文化感性というものが、生きていく上でのインフラストラクチャー(下支えするもの)になります。幼児期から国際教育の視点を取り入れ、大学ではそれをベースによりレベルを高めていく体系的な国際教育システムを構築することは、私たち教育関係者の責任であり、行政の責務でもあると考えます。

 国際教育というと、世界で活躍するための人材育成のように思われがちですが、ここで説明してきたように、他者に寛容であったり、他者と協調したり、協力したりする感覚を養うことです。それは、いじめやヘイトスピーチ、さらにはハラスメントの抑止にもつながるものです。その意味で、学生の留学推進にとどまらず、ユネスコの「国際教育の勧告」にあるように、幼児からシニアまでの国民教育と国際教育の並行導入こそを推進していかなくてはならないと考えます。

※明治大学では、私費留学に助成金を出し、単位も認定する「認定留学」、1学期300万円の奨学金を出す「トップ・ユニバーシティ留学助成奨学金」等、多様な留学プログラムを用意した「100の国際プログラム」を推進しています。詳しくは、明治大学ホームページ「国際連携・留学」をご覧ください。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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