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エビデンスに基づく取り組みは、自然相手の農業にも重要

明治大学 農学部 准教授 藤栄 剛

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近年、政府の主導でエビデンスに基づく政策立案(EBPM)が推進されています。エビデンスとは、客観的な証拠を意味しますが、では、客観的な証拠に基づく政策立案とはどういうものなのか。特に、農業政策において、それはどう活かされるのでしょう。

日本でもようやく始まったEBPM

藤栄 剛 2017年に政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2017」、いわゆる骨太方針の中で、「エビデンスに基づく政策立案を推進する」ことが明記されています。また、2017年8月には政府全体でEBPMを推進する体制として、EBPM推進委員会が開かれました。

 実は、欧米では20年くらい前から、このエビデンスに基づく政策立案の動きが起こっており、アメリカのオバマ政権時代には積極的に導入していくことが発表されるなど、近年では世界的な潮流になっています。

 この背景には、生活者や労働者などの個票、いわゆるミクロデータが数百万規模で集積されてビッグデータとなり、それを分析する情報技術が発達し、データ活用が容易になったことがあります。

 実際、アメリカでは、データサイエンティストと呼ばれる専門家が政府内にいたり、あるいは専門会社として起業していて、政策立案に関わっています。

 つまり、事象を数値化、データ化し、そこから、その事象の因果関係を捉え、それを基に、制度の構築や改善に活かそうという考え方がEBPMの根底にあるのです。

 すなわち、前例主義やイデオロギーのぶつけ合いに陥ることなく、事実を客観的に分析した上で次の政策を立案していくということです。

 このEBPMが有効であるのは、先行している各国の政策に見ることができます。また、象徴的なのは、途上国の貧困緩和の政策立案にも用いられていることです。

 日本も、ようやくこうした動きを推進する方向に向かい始めたわけです。政府の骨太の方針を受け、各省庁ではEBPMを導入する動きになっています。

 食料・農業・農村分野でも、「平成30年度 食料・農業・農村施策」において、EBPMがはじめて登場し、最近では、「新たな食料・農業・農村基本計画」(令和2年3月31日閣議決定)において、EBPMを推進する旨が明記されました。

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