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国民皆簿記のすすめ ―社会に役立つ会計の考え方―

本所 靖博 本所 靖博 明治大学 農学部食料環境政策学科 准教授

会計は「説明する」ことを含有している

本所靖博専任講師 私の専門は会計学です。経済とはそもそも、人々の生活に必要なものをやり取りする活動を通じて形成される社会関係ですが、会計はその経済活動をわかりやすく伝えるツールでありルール、と考えています。私が専門としているのは財務会計と管理会計から成る企業会計であり、主に「財務会計」を扱っています。財務会計は、企業外部の利害関係者に、企業の財政状態や経営成績などに関する情報を提供するもので、それらは、損益計算書と貸借対照表を中心とする財務諸表によって行われます。経済環境の変化に応じて財務諸表の正しいあるべき姿を追求するのが、企業会計を対象とする会計学の基本的なテーマです。財務諸表は、市場経済において経済活動を円滑にするために不可欠のものであり、そのためにも企業の経済活動を誰が見ても理解できる世界共通のフォーマットで表現されることが望ましいです。周知のように会計は英語でaccount(accounting)と言いますが、動詞で使うと前置詞forを伴い、「説明する」や「わかる」という意味になります。つまり会計とは、誰かに向かって(for)説明することであり、理解を求めるという意味を含有しているのです。その誰かとは投資家をはじめとした利害関係者なのです。

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