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日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授 首藤 明敏

少子高齢化が続く日本では市場の縮小は避けられず、このままでは多くの企業が生き残れなくなるという議論があります。その対策として、グローバルな市場展開が重要といわれますが、それには海外進出だけでなく、内なるグローバル化という視点もあるのです。

インバウンド消費に呼応したブランディング

首藤 明敏 日本では、超高齢化と人口減少による国内市場の成熟化は加速する一方です。このような時代環境において、日本経済の持続性を維持していくには、企業の生き残りに寄与するようなブランディングの方法論を確立する必要があります。では、その方法論を教えてくれといわれそうですが、それを一概にいうことはできません。その会社、その組織文化、その会社が扱っている商品やサービスの消費文化に合せて、確立していく必要があります。一般則を様々な個別の企業にあてはめれば、それですべて成功するというわけではないのです。とはいえ、いま、この日本がおかれている状況を考えると、共有できる考え方があり、それはブランディングの方法論を確立するヒントになると思います。

 例えば、グローバル化が進む今日では、海外進出がひとつの施策になるでしょう。もちろん、いきなり世界各国に売り込みをかけるのは多大な労力がかかります。そこで注目すべきなのが、内なるグローバル化です。2003年、政府は「観光立国」を掲げ、「ビジット・ジャパン・キャンペーン」などを策定しました。そこに、国内のデフレや円安などの為替要因も重なり、いまやインバウンドは年間2000万人に達しています。それとともに、インバウンド消費も増大し、一時の中国人による爆買いはなくなったものの、2017年上半期は、前年同期比+8.5%の2兆455億円と、堅調に伸びています。このインバウンド消費をチャンスと捉えるべきです。もう、インバウンドを意識したビジネスには取組んでいる、という企業も多いかもしれませんが、それを長期的に効果をもたらすブランド確立の機会と捉えているでしょうか。つまり、インバウンドの購買を、その場の単発的な消費で終わらせていてはチャンスは広がらないのです。重要なのは、次の継続的な需要に繋がるような施策です。そのためには、日本の消費文化に根ざした独自性を魅力要素とする商品やサービスを提供するとともに、それに触れた記憶が良いものとして残るような体験の場を創出することです。すると、この日本の独自性が価値、あるいは付加価値として、他国の商品との差別化を高め、彼らが自国に帰っても、日本での体験の記憶によって、その商品の継続的な利用や消費に繋がっていきます。つまり、重要なのは、インバウンドに日本のファン層を形成していくことです。これが、内なるグローバル化によるブランディングです。そもそも、観光需要は非常に一時的なものです。日本のデフレや為替要因が変化すれば、ブームはいつ終わっても不思議ではありません。日本ブームのいまこそ、外国人の日本ファン層を拡げることが、この後の日本企業のグローバルな競争力強化に繋がっていくのです。

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