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日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

首藤 明敏 首藤 明敏 明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授

自分たちを客観視し、独自性を自覚して強みに転換する

 実は、世界から見ると、日本はとてもユニークネスなのです。私たち自身にとっては当たり前のことで、普段、意識もしていないようなことも、日本の消費文化に根ざした独自な魅力であることがたくさんあるのです。これを価値として自覚し、強みとして転換することが、次世代に生き残っていく企業の条件だと思います。例えば、無印良品という会社があります。過剰さを排したシンプルなデザインは、落ち着きを好む日本人の心情や、「もったいない」精神にも通じるコンセプトですが、近年では中国で、このコンセプトに独自性や価値が見出され、売上げが伸びています。もともと外国に売り込むために開発された商品ではなく、私たちの消費文化に根ざした商品企画だったものが、外国人の目から見ると、価値として認知され、ブランドとして確立したのです。新潟県の三条市には、スノーピークというアウトドアの総合メーカーがあります。ここの製品は、地場産業である鉄製品作りから発展し、いまでは、「顧客本位の高品質なもの作り」という日本では昔から生き続ける企業哲学が外国でも認められ、各国で売上げを上げています。日本のユニークネスを活かすという意味では、均質化される都市部の大企業よりも、独自性のある地方の中堅企業の方がチャンスは大きいかもしれません。さらに、従来は資金力のある大企業がマス広告の中心でしたが、近年のICTの発達は、少ない予算でも様々なメディアを効果的に使える状況を生んでいます。中小企業や中堅企業も、知恵の使い方で有効なマーケティングが行えるのです。重要なのは、まず、自分たちのユニークネスを自覚することです。そのためには、自分たちは外から見たとき、何者であるかを客観視して見ることです。

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