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日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

首藤 明敏 首藤 明敏 明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授

大きく変わった企業と消費者のコミュニケーションの関係性

小西 康之 急激に発展したICT環境は、また、企業と消費者のコミュニケーションの関係性を変えつつあります。従来は、企業が自社のファン層を形成する有効な手段はマス広告でした。しかし、SNSなどのソーシャルメディアが発達した現在では、無差別的な幅広いマス広告を打っても、効果的なブランディングは期待できません。一方で、ネット広告の配信システムは、技術的にまだ過渡期にあり、短期的な購買に対してアプローチするのが中心で、持続性に繋がっているとはいえない状況です。そこで、いま注目すべきは、企業側からブランドの価値を伝達するというよりも、価値を消費者とともに創る取組みです。企業が従来行ってきた広告活動には、プロモーションだけでなく、文化やアミューズメント創出の側面がありました。コンテンツの少ない時代は、企業がそうしたコンテンツを一方的に送り出すことが有効だったわけです。しかし、ICTの発展とともに、様々な人たち、すなわち一般消費者各々が様々な大量のコンテンツを発信し、それを楽しむコミュニティが形成される環境になっています。すると、プロのクリエイターがスポンサーとなる企業と手を組んで発信することで得ていた効果にも、限界が現れるようになりました。逆に、企業は、一般消費者たちの創作活動に寄り添い、例えば、情報やネタを提供したり、そこに形成されるコミュニティを支援していく方が、マーケティング活動としては、より効果的であるといえます。つまり、企業と消費者のコミュニケーションの関係性が大きく変わりつつあることを意識したブランディングが必要になっているのです。

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