明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

日本の企業は“内なるグローバル化”によって生き残る

明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 教授 首藤 明敏

企業のトップがマーケティングの感覚をもつことが必要

 近年、マーケティングの分野は、データドリブンマーケティングに代表されるように、従来のマス・マーケティングから、顧客一人ひとりに対する深い理解を目的としたデータの作成、収集、分析を行い、企業と顧客の長期的で良好な関係を形成する方向へ向かっています。しかし、日本ではデータの収集や活用において過渡期にあり、まだ持続性に繋がっていないのが現状です。こうした現状を進展させ、少子高齢化が進む日本の市場に対応し、生き残る企業体質を構築していくには、企業のトップがマーケティングの感覚をもつことが必要です。例えば、欧米では、CMO(最高マーケティング責任者)という役職が存在感を増しています。アメリカのトップ500社のうち、約3割の会社がCMOのポストを設けているというデータがあります。それに対して日本では、時価総額上位300社のうち、CMOを設けているのは0.3%に過ぎません。欧米には、マーケティング活動を経営者の管理下に置き、企業活動の中核に位置づけるというマネジリアル・マーケティングの認識があるのに対して、日本ではいまだに、マーケティングは現場の担当者に任せる業務という認識なのです。しかし、企業が成長していくには、顧客を創造していくことが必要です。そのためにはマネジリアル・マーケティングの体制作りが不可欠です。内なるグローバル化も、自社のユニークネスを自覚し、強みとして転換することも、企業と消費者のコミュニケーションの関係性を再構築することも、データドリブンマーケティングを戦略化することも、企業のトップの判断と決断が必要なのです。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

ビジネスの関連記事

グローバルとローカルの出会いを幸せにするグローカリゼーション

2019.12.18

グローバルとローカルの出会いを幸せにするグローカリゼーション

  • 明治大学 経営学部 専任講師
  • 鷲見 淳
SDGsは、企業の社会における存在意義を問うもの

2019.11.6

SDGsは、企業の社会における存在意義を問うもの

  • 明治大学 経営学部 特任教授
  • 関 正雄
渋沢栄一に学ぶ、多様な立場、多様な経験を活かす生き方

2019.10.23

渋沢栄一に学ぶ、多様な立場、多様な経験を活かす生き方

  • 明治大学 経営学部 教授
  • 佐々木 聡
株式投資は「愛ある金融」に変わり始めている

2019.2.27

株式投資は「愛ある金融」に変わり始めている

  • 明治大学 商学部 教授
  • 三和 裕美子
パリ・コレに見る、「一流ブランド」の真価

2018.11.28

パリ・コレに見る、「一流ブランド」の真価

  • 明治大学 商学部 特任講師
  • 東野 香代子

Meiji.netとは

Meiji.net英語版

新聞広告連動企画

新着記事

2020.02.19

人型ロボット、ヒューマノイドが私たちを救う!!

2020.02.12

「自己責任」を押しつける社会に多様性はあるのか

2020.02.05

運動は身体だけでなく頭の健康寿命ものばす

2020.01.29

美術品の価格が分かると、国の文化度が上がる!?

2020.01.22

軽い!強い!錆びない!次世代構造材CFRPの用途を広げる

人気記事ランキング

1

2020.02.19

人型ロボット、ヒューマノイドが私たちを救う!!

2

2019.03.27

高校で必修となる「地理」は、もう暗記教科ではない楽しさがある

3

2020.02.12

「自己責任」を押しつける社会に多様性はあるのか

4

2019.07.31

万葉集に由来する「令和」に込められた、時代にふさわしい願い

5

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム