明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

#1 育児をする妻はイライラするもの?

明治大学 商学部 教授 藤田 結子

1日でも、仕事と育児の両方をやってみればわかる。

私は、自分が専門とする、対象者の生活を一緒に体験しながら観察するエスノグラフィーを用い、ひとりで育児を担う「ワンオペ育児」の母親の調査を行い、新聞に寄稿などをしています。すると、育児経験のある女性たちからは賛同の声をいただき、男性たちからは反論をいただくことがあります。男性には、育児をしたくても長時間労働でこっちもヘトヘトなんだとか、懸命に仕事をして家族を養っているのだ、家庭のこと、育児のことぐらい、女性が担うのは当然だろう、という思いがあります。確かに、そういう状況もあると思います。でも、近年は共働き夫婦が増えています。収入を増やしてより豊かな生活をするため、妻が仕事を生きがいにしているため、あるいは、共働きでなければ生活自体が成り立たないこともあります。それでも、育児は女性がするものという性別役割分業意識だけで、妻に育児が任されているとしたら、ちょっとおかしくないでしょうか。実は、おかしいどころの状況ではないのです。外で仕事、家に帰って育児、この両方をこなすためにヘトヘトになり、体力の限界で倒れたり、ストレスで精神がまいってしまう女性が増えているのです。育児を妻に任せている男性の方、振り返ってみてください。妻は、出産する前と変わらないでしょうか。体調が悪かったり、イライラしていたり、わがままに見える言動が増えたり…。俺だって仕事で疲れているのだ、と思うのもわかりますが、なぜ、妻がそうなっているのかも考えてみてください。できれば、1日でも仕事と育児の両方をやってみてください。妻がヘトヘトになる大変さがわかると思います。妻は、それを産休明けからずっと、毎日ひとりで繰り返しているのです。妻が倒れたり、ノイローゼになる前に、育児を協力して行う方が良いと思いませんか。

次回は、父親が育児をする効果について紹介します。

#1 育児をする妻はイライラするもの?
#2 父親が育児をすると子どもの能力が高まる?
#3 育児のために定時で帰れるようになる?
#4 育児支援サービスに頼っても良い?
#5 社会が変わらなければ育児も変わらない?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

  • Facebook
  • Twitter
  • Google+
  • Hatena

家庭・生活の関連記事

#5 社会が変わらなければ育児も変わらない?

2017.10.17

#5 社会が変わらなければ育児も変わらない?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 藤田 結子
#4 育児支援サービスに頼っても良い?

2017.10.13

#4 育児支援サービスに頼っても良い?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 藤田 結子
#3 育児のために定時で帰れるようになる?

2017.10.10

#3 育児のために定時で帰れるようになる?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 藤田 結子
#2 父親が育児をすると子どもの能力が高まる?

2017.10.6

#2 父親が育児をすると子どもの能力が高まる?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 藤田 結子
#6 コラーゲンはやっぱり身体に効く?

2017.7.28

#6 コラーゲンはやっぱり身体に効く?

  • 明治大学 商学部 教授
  • 浅賀宏昭

Meiji.netとは

新聞広告連動企画

新着記事

2019.09.18

世界遺産に登録された日本の古墳には、世界に誇れる特異性がある

2019.09.11

日本企業のアジア進出は、日本人のあり方を見直すきっかけになる

2019.09.04

グローバル化による「組織パラドックス」をマネジメントするには

2019.08.28

アフリカへの協力から日本経済の将来を考える

2019.08.21

地方自治の権限の拡大によって、現代型民主主義は進化する

人気記事ランキング

1

2019.09.11

日本企業のアジア進出は、日本人のあり方を見直すきっかけになる

2

2019.04.24

子どもに会うための共同親権制度では本末転倒

3

2018.05.23

衰える結婚、止まらぬ無子化 ――このままでは日本の未来が失われる

4

2019.09.18

世界遺産に登録された日本の古墳には、世界に誇れる特異性がある

5

2019.02.20

「フェイクニュース」は「嘘ニュース」のことではない

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム