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税制度の改革や見直しは、どの時代でも常に論議され、実際に実施もされています。それは、社会の様々な変化に対応するためですが、その際欠かせないのが公平感の保持です。

納税者の公平感を保つようにつくられる税制度

鈴木 孝直 税金とはなにかと問うと、多くの人が、社会インフラや社会保障など、様々な公共サービスの財源になるものだと答えると思います。

 まったくその通りで、だれもがそれを頭では理解しているのですが、実際に自分が税金を払うことに関しては、できるだけ少なくしたいと思ってしまうかもしれません。

 それは、税金が、通常の買い物のように、代金を払えばその場で商品やサービスが受け取れるものと違い、欲しいモノを手に入れたと実感しづらいからだと思います。なお、実際には、大多数の人が納税した額以上のサービスを受けています。

 なので、税金を買い物の支払いのように思うのではなく、この社会で暮らす会費のようなものと考える方が受け入れやすいのではないでしょうか。

 その際、基本的にはこの社会で暮らすだれもが同じようなサービスを受けるのですから、その会費は公平であるべきです。では、一律に同額にすれば良いのでしょうか。そういう考え方もありえます。

 でも、人によって収入額はまちまちですし、同じ100万円を稼ぐのにも苦労が違ったり、今後も安定的に得られるのかどうかも、人によって異なります。

 そこで、現行の税制では、収入の性質に応じて所得の計算方法を変える仕組みを取り入れています。その背景には、担税力に見合った応能負担という考え方があります。つまり、ひとりひとりの収入額や、収入の得方などに応じて税額を変えることが公平に繋がる、という考え方です。

 やや極端な例になりますが、ペンション経営者が旅行して、旅行先のペンションに泊まった場合、条件をクリアすれば旅行費用が経費と認められる場合があります。同業者を視察することで自分のペンション経営に活かすことができ、ひいては収益の増減に影響があるなど、経営上必須の支出と考えられる場合があるからです。

 そのとき、会社勤めの人が、同じように旅行して旅行費用が控除対象にならないのはおかしいと言っても、ペンション経営者のように経費が認められることはないでしょう。ペンション経営者と会社勤めの人とでは、収入の得方や性質が異なるとされているからです。

 もちろん、所得分類を設けて計算方法を各々ごとに定めれば絶対に公平が実現するということではないでしょう。だれも不満をもたないということも難しいことです。

 しかし、少なくともかなり多くの人が公平に感じることに近づけることが大切です。公平感がなくなると、自分は損をしているという思いが募り、納税をしなくなってしまうことに繋がりかねないからです。

 だから、この場合はこういう課税になるというルールを合意の上で作り、それに則って課税が行われる仕組みがとても重要なのです。この際、例えば、新しい働き方や、新しい取引方法などが生まれると、従来のルールのままでは公平感を保つことが難しくなる場合があります。

 すなわち、社会の変化に応じて課税の仕組みを変えたり、従来のルールや判断を変えていくことが必要になってくるのです。

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