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自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ有効な支援プログラムがある

川島 義高 川島 義高 明治大学 文学部 准教授

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世界保健機関(WHO)の報告によると、日本の自殺率は先進主要7ヵ国の中でトップに位置づけられています。自殺とは、人の命を奪う悲劇であり、それは家族や友人の人生、あるいはコミュニティに強烈な影響を及ぼし、後々までさざ波のようにそのインパクトが続きます。また、自殺とは、専門家だけでなく、一般の方々にとっても身近に起こる可能性を否定できない重大な出来事です。そのため、自殺予防とは、専門家だけが行うものではなく、みんなで協力し合いながら行う必要があると考えられています。

救急医療機関は自殺予防を行う要所のひとつである

 日本の自殺死亡者数は、1997年まで25,000人前後で推移していましたが、1998年に32,863人に急騰しました。

 その後、2012年に3万人を下回り、2018年には20,840人となりましたが、それでも、交通事故死亡者数の約6倍の多さです(厚生労働省統計資料より)。

 さらに、諸外国と比較すると、日本の自殺率は先進主要7ヵ国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、日本)の中で第1位なのです。

 政府はこうした現状を重く受け止め、自殺対策を推進するために、2006年に「自殺対策基本法」が施行され、2007年にはこの基本法に基づいた「自殺総合対策大綱」が閣議決定されました。現在、地方自治体や関係機関は、この大綱に基づいて自殺対策を行っています。

 この「自殺総合対策大綱」には9つの重要施策が掲げられていますが、そのひとつに、「自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ」ことが記されています。なぜなら、自殺未遂歴は、その後の自殺再企図、そして、自殺による死亡の最も強力なリスク因子と考えられているためです。これは、日本だけでなく、世界の様々な国の研究で明らかにされています。

 そのため、自殺未遂者が搬送される救急医療機関とは、自殺再企図予防を行う重要な拠点と考えられています。

 一般に、救急医療機関とは、搬送された人の身体の治療だけを施すところだと思われがちです。しかし、自殺企図後の患者さんに関しては、外科的な治療に加えて、精神医学的評価や治療、心理的サポート、退院後の相談先や安心して頼れる相談相手の確保、環境調整などを行うことが重要なのです。

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