明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

自殺未遂者の再度の自殺を防ぐ有効な支援プログラムがある

川島 義高 川島 義高 明治大学 文学部 准教授

自殺企図者の約9割がなんらかの精神疾患に罹患していた可能性がある

 自殺により亡くなった人の約9割が、亡くなる前に何らかの精神疾患に罹患していた可能性があると報告されています。また、自殺企図後に救急医療機関を受診した患者さんにおいても精神疾患の罹患割合が高いことが私たちの研究でも示されています。

 しかし、自殺により亡くなった人の多くは、適切な精神医学的評価や心理社会的支援を生前に享受できていないといわれています。そのため、WHOはメンタルヘルスの向上が自殺予防の鍵になると訴えています。

 実際、自殺リスクの高い人は、興味や喜びの消失、希望のなさといった抑うつ症状や、心理的視野狭窄のために、自ら支援を求める力が弱くなっていたり、社会的に孤立した状態にあることが少なくありません。

 例えば、うつ病になると、こころの視野が狭くなったり、本来の思考力・判断力・思考の柔軟性が低下することがあります。気分が晴れていれば、自分には家族もいるし友人もいることに気づけますが、うつ状態になるとそれが見えにくくなるのです。

 自殺予防においては、精神医学的な治療に加えて、一人一人の生活背景や価値観に寄り添った心理社会的支援がとても重要になります。

社会・ライフの関連記事

原発問題とは、エネルギー問題だけを意味しない

2022.5.18

原発問題とは、エネルギー問題だけを意味しない

  • 明治大学 法学部 教授
  • 勝田 忠広
木賃アパートには、未来社会を構築するヒントがある

2022.5.11

木賃アパートには、未来社会を構築するヒントがある

  • 明治大学 理工学部 専任講師
  • 連 勇太朗
サステイナブルな社会になるために必要な「評価」とは?

2022.4.22

サステイナブルな社会になるために必要な「評価」とは?

  • 明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授
  • 源 由理子
熊本県産アサリ、産地偽装問題の一番の被害者は熊本県!?

2022.3.23

熊本県産アサリ、産地偽装問題の一番の被害者は熊本県!?

  • 明治大学 名誉教授(元専門職大学院 法務研究科教授)
  • 高倉 成男
国が「してくれないこと」はあきらめるしかないのか?

2022.3.4

国が「してくれないこと」はあきらめるしかないのか?

  • 明治大学 情報コミュニケーション学部 准教授
  • 清水 晶紀

新着記事

2022.07.06

補助金を巡る意識改革が必要

2022.07.04

スマート社会の実現を私たちも考えよう

2022.06.28

コミュニケーションを第一に、家族を大切にしよう

2022.06.22

ゲームのスキルは、その子の「資本」になる

2022.06.21

地道でも “源”から、理解するようにしよう

人気記事ランキング

1

2020.11.04

私たちの身近にある熱エネルギーには多様な可能性がある

2

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

3

2022.06.22

ゲームのスキルは、その子の「資本」になる

4

2018.01.26

#3 日本国憲法は「押しつけられた憲法」か?

5

2022.02.10

西欧でも関心が高まる、私たちが知らなかったイスラム教の魅力

連載記事