
2022.06.28
明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト
自殺を減らしていくためには、自殺リスクの高い人に対するサポートに加えて、社会的環境を変えていくことも必要です。
例えば、自殺の要因になることもあるパワハラやいじめなどは、みんなで防いでいかなければなりません。
また、自殺に追い込まれる人を弱い人、普通ではない人と見なすような偏見や圧力も、自殺リスクの高い人やそのご家族などをサポートしていく妨げになります。
日頃から、家族や友人、職場の仲間など周囲の人たちとコミュニケーションを図ることを心掛け、自分が孤立しないこと、そして人を孤立させないことが大切です。また、いつもと様子が違うと感じられたら、「どうしたの」と声をかけ、話を聴いてほしいと思います。
この「どうしたの、大丈夫?」や「なにかあったの?」といった最初の声かけがとても大事なのです。
今、国際自殺予防学会が掲げているテーマは「Working Together to Prevent Suicide」で、翻訳版は「手を取り合い 共に働き 共に自殺予防」とされています。これは、自殺を予防するためにみんなで協力し合おう、ということです。
社会から自殺をなくしていくことは、専門家だけでできることではありません。みんなで協力し合うことが大切なのです。
そのためには、周囲に無関心であったり、知ろうとしないことを変えていくことが必要だと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。