CCSを定着させるためには、私たち生活者の意識を高めることも重要
さらに、今後の検討課題として、石炭火力や重油炊きの発電所はCO2を回収・貯留する施設を必ず設けるという、CCS-Ready法(Capture Ready)の策定があります。また、こうした日本のCCS技術を他国に移転し、そこで成果を上げることで日本のCO2削減実績にカウントする、日本版クリーン開発メカニズム二国間クレジット制度(JCM)を二ヵ国間で行うことも検討課題であると考えます。
CO2の削減は地球規模の課題であり、CCSは大きな事業となりますが、私たち国民一人ひとりにとって、決して他人事ではありません。地球環境問題は、基本的には一人ひとりの問題です。企業が商品を作るために電力を使えば、そのために排出されるCO2に応分の負担金が課せられ、それは商品価格に反映されることにもなります。つまり、負担するのは私たち消費者なのです。それをせずにCO2の排出が野放しになれば、異常気象に繋がり、被害を被るのも私たち住民です。日頃から、省エネなど、環境に負荷を与えない生活を一人ひとりが心がけたり、CCSなどの情報にも関心をもってもらえればと思います。
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。