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災害大国日本では、保険が中小企業を救う!?

明治大学 商学部 准教授 浅井 義裕

2011年の東日本大震災から7年が経ち、復興を検証する研究も進んでいます。その中で、製造業を中心とした中小企業の復興について、本学の浅井准教授が分析を進めています。

中小企業に関する、保険の有効性の研究は進んでいなかった

浅井 義裕 東日本大震災の復興には、自然科学、人文科学、そして、社会科学という、ありとあらゆる観点からの研究が必要になると思います。私が、専攻する経済学・商学という分野では、震災以降の経済活動の復興の規模とスピードが重要な研究テーマのひとつとなります。その中で、保険の果たす役割は非常に大きいと考えています。保険では、失われてしまった命を取り戻すこと、傷ついた心を癒すことはできませんが、自然災害によって失われてしまったものの一部を、復旧させたり、新しく作ったりすることは可能で、大きな役割を果たすことが期待できるのではないかと考えるからです。

 東日本大震災では、個人に対しては保険会社の素早い対応がなされ、震災発生から約半年の間に、約1.2兆円の地震保険の支払いがなされたことが、報道などでも大きく取上げられていました。ところが、企業向けの保険、特に中小企業に対しての保険金がどのような形で支払われ、それが復興にどのように役立ったのかということは、あまり報道されず、実態がわかりにくいのが実状です。企業向けの地震保険は、家計向けの地震保険とは異なっているため、データを得にくいことも理由のひとつでしょう。そのため、二重債務問題など、銀行からの借り入れに焦点を当てた研究が多く、中小企業にとって保険はどういう位置づけで、それが、東日本大震災の時に、どのような役割を果たしていたのかについての研究は遅れていました。つまり、東日本大震災のような非常に大きな災害が起こったとき、その復興に中小企業の保険がどの程度有効なのかについて、実はよくわかっていないことが多いのです。しかし、それでは、自然災害が頻繁に発生し、さらに南海トラフ地震など、今後も大きな災害が予測される日本では、あまりにも無防備です。日本の経済活動において中小企業の果たす役割は非常に大きく、彼らが的確なリスクマネジメントを行っていくことは、日本の経済活動にとっても重要です。その意味でも、東日本大震災における中小企業の復興のプロセスを分析し、今後予想される巨大災害に備えておくことは極めて重要であると考えています。

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