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誰もが生きやすい社会の構築に向けて ―経済政策からの考察―

飯田 泰之 飯田 泰之 明治大学 政治経済学部 准教授

GDP名目成長率4%実現へ

 私が考える理想の社会は、さほど頑張らなくてもほどほどに幸せを感じられる社会だ。ぼんやり生きていても、まず死ぬほどの危地に陥ることはなく、それなりに頑張ればちょっといいことがある――そんな社会が生きやすい。このように書くと、経済成長に否定的なように感じられてしまうかもしれないが、それは違う。「ほどほどの社会」を構築するには年2%の実質成長が不可欠だからだ。私たちの生産効率というのは、新発明や仕事への慣れなどでおしなべて年2%上昇するとされている。そうであれば、経済もまた毎年2%伸びていかないと仕事がなくなってしまう人、つまりは失業が発生することになるわけだ。この2%を維持するために求められるのが2%のインフレーションなのだ。実質成長率2%と物価上昇率2%を併せてGDPで4%の名目成長を実現すれば、税収は毎年4.5%増えることになる。GDPに対する借金の割合は減り、財政問題の解決にも大きく貢献することになるだろう。まずは今後3年間で名目成長率4%を軌道に乗せられるかどうか、デフレ脱却のみならず日本経済の命運がかかっているといっても過言ではない。
 さらにその成長を10年間維持することが、日本経済の再生・復活のカギを握っている。そのためにも、規制緩和を中心とした強力な成長戦略を推進することに加え、現在進められている金融政策を継続していくことが重要であると考えている。

※掲載内容は2013年9月時点の情報です。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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