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8K・スーパーハイビジョン時代がやってくる ―究極には意味がある―

鹿喰 善明 鹿喰 善明 明治大学 総合数理学部 教授

究極のテレビ「8K」の開発

空間解像度の検討 “究極のテレビ”とは、「あたかもそこにいる」圧倒的な臨場感を実現するテレビであり、それは“人の目”を実現することでもある。たとえば従来は、目の前にある花瓶とテレビに映っている花瓶は違うように見えても、脳が補正して同じものと認識していた。しかし「8K」は、限りなく人の目に近づくテレビとなる。テレビの映像フォーマットは視力1.0の人を基準に、画素構造が見えない距離を標準視距離として設計されている。わかりやすくいえば、画面走査線(画素)のドットが見えてしまっては画質がそがれるということである。また、従来のハイビジョンの画角は30度であり眼球運動で情報を注視し、瞬時に特定情報を受容できるように設計されている。「8K」の世界はこれらを一変させる。画角は100度であり映像に周囲を取り囲まれ、空間座標感覚に影響を与えるまで視野範囲は拡大する。視距離は、画面サイズ比でいうと、ハイビジョンの4分の1となるため、画面走査線構造を感じさせない超高精細画像、横7680×縦4320ピクセルが必要とされた。実物に近い色再現が可能となる色域の拡張も行っている。また、大画面・高精細度テレビの課題の一つに、速く動く被写体に見られる“ぼやけ”がある。従来のハイビジョンは1秒あたりのフレーム数が60であったが、「8K」ではこれを120とすることで“ぼやけ”を解消しようとしている。
これらがもたらす圧倒的な臨場感をもって、「8K」は人の目のレベルに達したといえるのである。ちなみに8の次は16と考えがちだが、「8K」は一つの臨界点であって、それ以上のものを作ったとしても「8K」との大きな違いがないことが判明している。私が専門とする映像圧縮の技術は、スーパーハイビジョンという膨大な情報量を持つ信号を伝送するために必須のものである。「8K」スーパーハイビジョンの放送実現に向け、その一号機ともいうべき最新規格の高効率圧縮符号化方式によるエンコーダ(データ圧縮)装置を、このほど世界で初めて開発した。今後、さらなる検討・改善を重ねていきたいと考えている。

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