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健康的な長寿のために、新たな機能性物質を見つける

浜本 牧子 浜本 牧子 明治大学 農学部 教授

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昔から、人はからだに良い食べ物に高い関心を持っていました。近年では、マスコミなどで紹介されると、その食品があっという間に売り切れたり、そればかりを食べる人も出てきます。でも、その成分がどのようにからだに効くのか、正しく理解し、正しい摂り方をすることが大切です。

老化の大きな要因は活性酸素

浜本 牧子 日本は世界に類を見ない高齢社会になっています。総人口に占める65歳以上人口の割合は、2021年には29.1%になっていますが、これは、高齢化社会(7%)、高齢社会(14%)の水準を超え、さらに、超高齢社会(21%)の水準も超えていることになります。

 もちろん、人々が長寿になるのは喜ばしいことですが、一方で、少子化が進んでいるために社会の高齢化率が上昇を続けているのです。そのために、社会保障の負担が大きな問題になっています。

 そこで、ただ長寿というだけではなく、健康寿命を延ばすことが重要視されるようになっています。

 健康寿命とは、その人が介護などを必要とすることなく、自立して生活することができる期間を指します。実は、日本は平均寿命だけでなく、この健康寿命も世界最高水準なのです。

 それでも、2019年時点で、平均寿命と健康寿命の差が男性で8.73年、女性で12.07年あります。つまり、自立して生活することができず、介護などの支援が必要になる期間が10年前後あるということです。

 この期間をできるだけ短くすることは、社会保障の点から重要であると言えますが、なにより、その人が健康で暮らせる、QOL(生活の質)を維持するという意味でも、非常に重要であると言えます。

 では、健康寿命を延ばすために、健康の維持増進を図るにはどうすれば良いのか。一般的に言われるように、生活リズムを整えたり、暴飲暴食や喫煙をひかえ、バランスの良い食事を心がけ、適度な運動をすることが良いのはもちろんです。

 しかし、それでも、加齢にともなって老化は進行します。それは、からだの細胞そのものの働きが低下し、若い頃よりその機能が衰えるからです。そうした老化の進行の要因の一つとみなされているのが活性酸素です。

 通常の酸素は、酸素原子核の周りの外側の6個の電子のうちの1個がもう一つの酸素原子核の周りの同様の電子1個とペアになっています。それは三重項酸素といわれる安定した状態です。私たちはこうした酸素を体内に取り込み、それによってエネルギーを生産して生命活動を営んでいるわけです。

 ところが、この酸素が、体内で活用される過程で電子のバランスを崩し、不安定な状態に変化してしまうことがあります。それが活性酸素です。

 電子のバランスの崩れ方によって様々な種類の活性酸素に分けられますが、人の体内で生成される活性酸素は、主に、一重項酸素、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルの4種類です。

 これらの活性酸素は自分が不安定な状態であるため、安定した状態になろうとして周囲の分子から電子を奪い取ってしまうのです。これを反応性と言い、強い反応性を示すことを活性が高いと言います。

 つまり、活性と言うと良い活動のようにも聞こえますが、活性酸素は、周囲の細胞などを、いわば攻撃する存在なのです。

 こうして、細胞が反応性の強い活性酸素に攻撃されると、その細胞や遺伝子などは傷ついて本来の機能を発揮できなくなります。それが、老化という現象として現れますし、さらに、がんや動脈硬化、免疫機能の低下などにも繋がると考えられています。

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