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紙幣を持ち歩くのは時代遅れ!?

明治大学 政治経済学部 准教授 小早川 周司

近年、新しい技術を活かした金融サービスの創出を指すフィンテック(FinTech)が、大きな注目を集めています。仮想通貨もそのひとつですが、私たちの生活のキャッシュレス化を進める技術もそのひとつです。世界を見ると、キャッシュレス化が相当進んでいる国もあり、日本はむしろ遅れています。これからは、身近なキャッシュレス手段を使いながら、フィンテックへの関心を高め、金融リテラシーの向上につなげていくことが大切です。

金融リテラシーを培おう

小早川 周司 一時期、仮想通貨は儲かるという話が一人歩きし、そこに、どういった技術が導入され、どういった用途で使われているのか、しっかりと理解しないまま、特に若い人たちが飛びつくという現象が起きました。日本では、貯蓄から投資へという流れが進まない中で、フィンテックを活用した新しい金融サービスが広がるのは、基本的には歓迎すべきことだと思います。例えば、家計の金融資産全体の中で、安全資産である現金・預金が占める割合は50%以上です。これでは、経済の活性化や新しいことへのチャレンジが起きにくい社会となってしまいます。その一方で、仮想通貨が儲かりそうだとか、あるいは、FX(外国為替証拠金取引)が儲かるという話が出ると、若い人や家庭の主婦が飛びつきました。海外では、FXに投資する日本の主婦のことを「Mrs.ワタナベ」と言い、なぜ一般の投資家がリスクの高い外為取引に手を出すのかが理解できないという声を聞くこともあります。つまり、日本人の資産運用は非常に両極端で、投資信託を活用したNISAのようなミドルリスクを組合わせて、ポートフォリオ全体としてのリスクとリターンをしっかりと考えない傾向があります。それは、私たち生活者に金融リテラシーが培われていないからだと思います。今は、新しい技術を応用した付加価値の高い金融サービスが生まれる過渡期にあります。そのなかで、私たちが、しっかりと情報のアンテナを張り、金融サービスや金融商品の中身についての知識を深めていくことはとても重要だと思います。身の周りのフィンテックに慣れ親しんでいくことによって、小難しいと思われがちな金融への理解を深めるきっかけになるのではないでしょうか。

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