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2017.06.21

効果的な高齢者用補聴器を目指して、1/100秒の壁に挑む

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認知症の予防になることに期待をこめて

 私の「知能信号処理研究室」は、国の科学研究費助成事業のリハビリテーション科学・福祉工学の項目で対象研究となり、研究費の補助が受けられることになりました。高齢化社会が進む日本にとって、高齢者の生活の向上につながる取組みは重要になっているからだと思います。老人性難聴の人たちにとって効果が実感できる補聴器ができれば、生活を快適にするだけでなく、認知症の発症を低くすることもできるかもしれません。アメリカのデータですが、認知症の発症者の割合は、老人性難聴の人とそうでない人とでは、明らかに差があります。音が聞こえにくくなると、人と会ったりお喋りするのが嫌になってくるため、ひとりで過ごすようになり、生活に刺激がなくなるからかもしれません。まずは、老人性難聴の人たちに効果的な補聴器を開発し、補聴器を使うことが当たり前になることを目指し、それが、認知症の予防につながっていくことに期待をこめて、研究を進めています。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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