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米国中間選挙を検証する ―オバマ大統領リーダーシップの変遷と戸別訪問の重要性―

明治大学 政治経済学部 教授 海野 素央

米国の中間選挙が終わり、民主党は敗れ上院・下院ともに共和党が多数を占めることとなりました。まずは率直なご感想をお聞かせください。

海野素央教授 今回の中間選挙で民主党が敗北した背景には、私はオバマ大統領のリーダーシップが現状に適応できなかった点にあると考えています。2008年、「Yes, we can」のキャッチフレーズで華々しく登場したオバマ大統領は、「変革型」のリーダーシップを打ち出し、人々を鼓舞し希望と勇気を与えるカリスマ性がありました。しかしそのカリスマ性は2年で低下することになります。2010年の中間選挙では、保守派の反オバマ運動である「ティーパーティー」が支持を集め、その活動が共和党大躍進の原動力となりました。2012年の大統領選挙においてオバマ大統領は、そのリーダーシップスタイルを「変革型」から「取引型」に転換させます。それが功を奏して再び大統領に選ばれました。

先生のおっしゃる「取引型」とは、どのようなリーダーシップのスタイルなのでしょうか。

 オバマ陣営の支持者はいわば「異文化連合軍」です。アフリカ系はもちろん、ヒスパニック系(中南米系)、女性(未婚女性)、若者などから成っています。一方、当時の共和党・ロムニー候補陣営は白人の男性、特に高齢者が支持基盤。オバマ大統領が2012年の大統領選挙で展開したのは、自分の陣営の有権者に対して明快なメリットをもたらす政策を掲げ、「だから私に投票してください」という隠されたメッセージを送り、有権者と「取引」を行うことでした。女性有権者に向けては避妊薬の保険適用を打ち出し、ヒスパニック系に向けては国外追放の緩和策を打ち出し、若者に向けては学資ローンの利子値上げを阻止する政策を打ち出しました(米国では若者が自ら学資ローンを組んで大学で学ぶことが少なくない)。こうした「取引型」リーダーシップが成功を収めたのです。

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