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アフリカ独特のユルさが、アフリカらしい発展の鍵となる

明治大学 専門職大学院 ガバナンス研究科 教授 笹岡 雄一

ユルい国境管理

 かつて領土という概念が希薄で、各政治的共同体の統治領域も曖昧でぼんやりしていたアフリカでは、その共同体同士の関係も非常にゆるやかで不介入的でした。

 こうした関係の中に、突然、ヨーロッパの列強の都合で境界線が引かれ、しかも、その後、その境界線に従う形で国として独立するのですが、それによって、アフリカの従来の価値観や意識が一気にガラッと変わったわけではありません。

 例えば、国境は動かさないという取り決めまでしたのだから、それは厳格に管理されるのだろうと、私たちの感覚では思います。しかし、実際には、国境の管理は非常にルーズであったのです。

 国を繋ぐ幹線道路などには通関の施設があり、イミグレーションもありますが、その幹線道路から何キロか離れた森や藪には、誰でも自由に往来できる小径があったり、そもそもイミグレーションの設置が難しい砂漠に延々と国境線があるところもあります。

 実際、国境周辺に暮らす人たちにとっては、自分たちの国の中央にある町の市場に生産物を持って行くより、隣の国の国境周辺の町の市場に行く方が簡単に売ることができて便利です。

 自国の中央部のエスニック・グループは自分たちとは違うが、隣の国には同じないし近いグループの人たちがたくさんいる、という場合もあります。

 そこで、管理の行き届かない道などで、住民は自由に往来しているのです。これを多孔性(porosity)と呼びますが、要は、ユルいのです。

 近年は、国境管理がユルいために、麻薬や武器、盗難品などが自由に運搬されたり、人身売買目的で子供が連れ去られることも横行しています。また、西アフリカなどではジハーディスト集団(イスラム過激派で、さらにテロなどを行う人たち)が増えていて、各国の国境地帯で活動しています。

 そのため、国境警備や管理を厳格にしようという動きがあります。確かに、それは必要なことですし、そうした流れはアフリカに限らず、アメリカやイスラエルをはじめ、世界中でも起きています。

 ただし、アフリカの各国にとって、国境管理の厳格化が政治を安定させたり、経済の成長に繋がるのかと言えば、決してそうとも言い切れないのです。

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