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外国人労働者受け入れ拡大の成功には教育の力が必要!!

明治大学 国際日本学部 特任教授 佐藤 郡衛

ダイバーシティ・アンド・インクルージョンを目指して日本人も変わる

佐藤 郡衛 一方で、外国人労働者に日本の教育を求めるだけでなく、受け入れる私たち自身も一歩踏み出すことが大切です。

 例えば、多様なものが接したときの状態としてa+b=a+bという形があります。aという既存の主流にbというマイノリティが交わっても、互いに干渉しないという分離型です。また、a+b=aという形があります。既存の主流がマイノリティを同化させるタイプです。

 いままでの日本は、このふたつの形であったといえます。異質なものを腫れ物に触るようにしたり、無視したり、逆に、郷に入れば郷に従えと、自分たちのルールを一方的に押しつけていたのです。

 しかし、a+b=a’+b’という形もあるのです。互いが影響し合って自らを見直し、ともに暮らしていく包括型です。すると、従来のaのまま、bのままよりも世界が広がるのです。

 ブラジル人の小学生の親に、集団登校させるのは嫌だと言われた学校がありました。先生たちは、では、なぜ、集団登校をするのか、あらためて考えました。すると、こんなメリットがあるということを見直すことができ、それをブラジル人の親に伝えたところ、彼らも同意し、集団登校を続けることになった事例があります。

 当たり前だと思っていたことを問い直しすることによって、再発見や気づきがあったのです。つまり、a+b=aだったものが、a+b=a’+b’と互いに世界を広げたのです。

 韓国人の小学生が転校して来たクラスがありました。日本の子は、韓国の子がキムチ臭いと揶揄します。その子は黙って無視していましたが、そのうち、頑張って日本語を覚え、日本の子たちにキムチ作りをしてみないかと語りかけます。

 面白がってキムチ作りをした日本の子たちは、できたキムチを食べてみると、それがとても美味しいことを知ります。すると、「韓国の子」という呼び方から、「○○君」と呼ぶようになっていきます。

 a+b=a+bだった関係が、片や日本語を学び、片や韓国の文化の一端を知ることで、a+b=a’+b’と関係を広げたのです。

 近年、ダイバーシティ(diversity:多様性)の重要性が指摘されてきましたが、グローバル化が進む現代、ダイバーシティ自体はただの現象であり、重要なのは、ダイバーシティ・アンド・インクルージョン(inclusion:包括)であると考えます。

 異質なもの、多様なものに接すると、人は違和感を覚えたり、葛藤を起こすのは当然です。それをどう乗り越え、いかに一緒に、ともに過ごしていくのか、その方法や仕組みを考え、実践することが大切なのです。

 教育の機会は、そのための貴重な場になると考えます。さらに、その学びの場は学校に限らず、地域の中で外国人に生活のルールをやマナーを教える場や、祭などを通して積極的に関わっていく場をつくっていけば、○○国人というバイアスを払拭し、○○さんと呼び合う人と人の関わり合いから、互いにa’+b’の関係を引き出していくことに繋がります。さらにa+b=cという新しい社会を創りあげることを目指していく必要があります。

 今回の入管法改正をそのきっかけにすることも、私たちにとって、非常に重要なことだと考えます。

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※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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