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外国人労働者受け入れ拡大の成功には教育の力が必要!!

佐藤 郡衛 佐藤 郡衛 明治大学 国際日本学部 特任教授

外国人労働者とその家族の子どもたちの日本語教育が必要

 外国人労働者を移民と認めず、出稼ぎ労働者扱いしてきたために、最もなおざりにされてきたのが教育です。1990年の入管法改正にともなって、日系外国人が増えましたが、本人はもとより帯同した家族、とくに子どもたちの教育は、自治体任せの状態になってきました。

 子どもは言葉の習得が早いので、日本語の授業にもすぐについていけるようになるだろうと、一般には思われがちです。確かに、日常的な交わりの中で習得できる日常会話は比較的早く可能になります。

 しかし、それと、勉強するための言語能力はまったく違います。日本人の大学生が、英語の日常会話ができるからと安心して留学したところ、現地の授業についていけず苦労したという話はよくあります。大学生でもそうです。まして小学生くらいだと、授業についていくだけの日本語の力がないと、まったく勉強になりません。

 そこで、最もしっかりとした取り組みを行っているのは、外国人の子どもが学校に上がる前に、集中して日本語を教えるプレスクール制度をとっている自治体です。愛知県などは、2006年頃からプレスクールのモデル事業に取り組んでいます。

 次が、学校に入学した外国人の子どもを、通常の授業中に取り出し、特別教室で日本語を教える取り組みです。都内でも、外国人が多い池袋や新宿の小学校などが実施しています。

 三番目が、授業を進行する教員とは別に日本語指導員が教室に入り、外国人の子どもをサポートする取り組みです。授業内容をやさしい日本語にしたり、図解して説明します。

 こうした取り組みは、外国人の子どもが多い自治体や、公立小学校が独自に実施しています。

 ところが、外国人の子どもが入学してきても、日本人の子どもたちと一緒に通常の授業を行うだけの学校が大多数です。外国人の子どもに対する、国による体系的な教育の取り組みや制度はないからです。これでは、外国人の子どもが充分な教育を受けることは、非常に厳しいでしょう。

 その結果、外国人の高校進学率ははっきりしたデータはありませんが約60~70%程度であり、中退率も高いのが現状です。高校卒業後の就職も、非正規の割合が非常に高くなっています。また、進学も就職もせず、なにもしていない子どもも多くいます。

 そうした子どもたちの多くが、将来、生活保護を受けるようになったり、反社会的な問題を起こすようになるかもしれません。生産年齢人口の減少対策が逆効果になりかねないのです。それも、彼らにしっかりとした教育を受けさせないからです。

 ヨーロッパなどでは、正規の移民として受け入れた以上、無償で自国の言語を学ぶことを保障します。それは、移民を自国の市民として受け入れ、自国を支える一員として育てていくという認識があるからです。

 文科省も、日本語学習の「JSL(Japanese as a second language)カリキュラム」などを推進していますが、まだまだ充分とはいえません。

 まず、外国人労働者本人に日本語を学んでもらうこと(現状ではその仕組みすら確立されていない)、そして帯同する子どもに日本の教育を充分に受けさせること、そうした仕組みをきちっと法制化していくことが必要です。

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