明治大学の教授陣が社会のあらゆるテーマと向き合う、大学独自の情報発信サイト

「日韓併合」に口をつぐむ日本人でいたくはない

明治大学 文学部 教授 大畑 裕嗣

日本の近代史教育に力を入れるべき

 韓国は、日本の犯した過去のことについて、いつまでもこだわって言ってくる国というイメージを、現在の多くの日本人がもっていると思います。確かに、韓国で、一番嫌いな国は、という調査をすると、日本がトップです。それだけ、日本に植民地化された傷は深いといえます。ところが一方で、韓国人の海外旅行先のトップは日本であり、テレビのスポーツニュースでは、大リーグで活躍する日本人選手が連日取上げられたりしています。日本に対する複雑な感情、意識の両面性があるのです。それに対して、島国育ちの日本人は、いわゆるムラ意識が強く、一面的な見方に偏りがちです。自分の立場ではなく、相手がどう見ているのかということを学ぶ教育がもっと必要です。特に、現代の韓国やアジアとの関係を知るには、日本の近代史をしっかり学ぶことが重要です。自分たちにとって恥ずかしいことや誇りが傷つくようなことは避け、都合の良いことだけを教えようとする教育方針や、受験のためだけの暗記勉強では、知識を深め、視野を広げることはできません。本学には韓国からの留学生も大勢いますが、彼らは、日本の学生が「日韓併合」もきちんと学んでいないことを知っていて、なかばあきらめの気持ちで日本のアニメの話題などで話を合わせています。若い世代がこれで、本当に発展的な日韓関係が築けるでしょうか。日本の歴史教育、特に近代史教育をしっかり行っていくことが、韓国やアジアの人たちに信用され、少なくとも対話の相手として認めてもらえる日本人になることに繋がっていくと、私は思います。

>>英語版はこちら(English)

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

国際の関連記事

移民を引き寄せるアメリカの魅力が、日本にはあるか

2020.6.3

移民を引き寄せるアメリカの魅力が、日本にはあるか

  • 明治大学 政治経済学部 専任講師
  • 下斗米 秀之
歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

2020.4.1

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

  • 明治大学 理工学部 教授
  • 林 ひふみ
日本企業のアジア進出は、日本人のあり方を見直すきっかけになる

2019.9.11

日本企業のアジア進出は、日本人のあり方を見直すきっかけになる

  • 明治大学 専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 准教授
  • 藤岡 資正

Meiji.netとは

Meiji.net英語版

特別授業

新着記事

2020.06.03

移民を引き寄せるアメリカの魅力が、日本にはあるか

2020.05.27

長生きリスクを、長生きハッピーにするために

2020.05.20

再生医療からアンチエイジングにも役立つ遺伝子の「付箋」とは!?

2020.05.13

より良い労働条件獲得のために、ストライキよりさらに有効なこと

2020.04.22

画像処理技術は、より安全と公平を社会にもたらす

人気記事ランキング

1

2018.01.26

#3 日本国憲法は「押しつけられた憲法」か?

2

2020.06.03

移民を引き寄せるアメリカの魅力が、日本にはあるか

3

2020.04.01

歴史を紐解くと見えてくる、台湾の親日の複雑な思い

4

2017.10.18

ゲーテッド・コミュニティの実態に迫り、その“可能性”を探る

5

2017.10.04

精神鑑定は犯人救済のために行うのではない

Meiji.net注目キーワード

【注目!】連載コラム