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2014.12.01

求められるグローバル人材育成のために

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10年後には4000人の海外留学者を送り出す

 先に語学力だけでは、グローバル人材として通用しないことを述べましたが、翻って言えば語学力は最低限のスキルとして求められるということでもあります。明治大学にとっては、この語学力の底上げが、まずは目下の課題であります。「スーパーグローバル大学創成支援」の期間は10年間。10年後のビジョンとして打ち出したのは、「世界へ!MEIJI8000―学生の主体的学びを育み、未来開拓力に優れた人材を育成―」というものです。8000という数字は、明治大学の毎年の卒業生数を表しており、毎年8000人のグローバル人材を世界に送り出すことを目指したものです。そして、海外留学して単位を取得する人を4000人、つまり、卒業までに半数の学生を海外に送り出すことを目指しています。留学して単位を取得するとなれば、当然語学力は必須のスキルとなります。多彩なプログラムを活用し、学生の語学力のレベルアップを図っていきたいと思っています。
また最近の若者は「内向き指向」と指摘され、海外志向が低いと言われています。確かに一部そういった側面もあるかもしれませんが、私は必ずしもそうとは思いません。明治大学は文部科学省より国際化に関する取り組みで、3つのGP(Good Practice=優れた取り組み)に採択されていますが、その一つに「大学間連携共同教育推進事業」があります。その取り組みの一環として他大学とともに国際公務員や国際的に活動するNPO、NGOへの派遣プログラム説明会を開催していますが、初年度は実に1000人以上の学生が集まりました。学生の多くは国際問題に対して、決して関心がないわけではありません。きっかけさえあれば、彼らは自ら能動的に行動します。若者(学生)が「内向き」であることは、自戒も含めていえば、大学の諸制度の未整備にあるのではないでしょうか。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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