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雪の結晶はなぜ美しい六角形をしているのか、知りたくないですか

長島 和茂 長島 和茂 明治大学 理工学部 教授

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結晶というと、六本の樹枝を伸ばした雪の結晶の形をイメージする人も多いでしょう。ところで、なぜ、雪の結晶はあのような形をしているのでしょう。身の回りの現象に対してそんな疑問をもって考えると、理科に対する関心や興味が高まり、それは論理的な思考を育むことに繋がります。

身近な自然現象であり、実験も楽しめる結晶化

長島 和茂 結晶とは、教科書的にいうと、原子や分子が規則的に、周期的に配列したもの、ということになります。なにやら難しく聞こえてしまいますが、物質の結晶化は私たちの身近にある現象で、特別なことではありません。

 例えば、多くの人が冷凍庫で氷を作ったことがあるでしょう。氷は水の結晶だし、雪も、つららも、霜柱もそうです。

 人は結晶を上手く利用して、食品や日用の道具に取り入れたりもしています。塩や砂糖の粒は結晶ですし、クォーツ時計は水晶の結晶が発する正確な振動を利用したものです。電子機器に欠かせない半導体もシリコンの結晶を使っています。

 さらに、家庭で、身近な道具を使って結晶が成長していく様子を観察したり、楽しむこともできます。

 例えば、塩の結晶作りを学校の授業で行ったことがある人も多いと思います。塩水を作り、それを蒸発させるだけで、きれいな立方体の結晶ができて、ちょっと驚いたりしたのではないでしょうか。

 最近では、ストームグラスを部屋に飾っている人もいるかもしれません。ストームグラスは、きれいなガラス容器に溶液が入れてあり、その溶液の中に結晶ができ、それが少しずつ様々な形に変化するものです。

 まさに、結晶が成長する様子を見せてくれるわけですが、人がなんら手をかけなくても結晶の形は変化するので、美しくもあり、神秘的な感じもします。最近ではインテリアグッズとして人気があるようです。

 同じく、結晶化を楽しめるものとして、ビスマス結晶があります。これは、通販などでも手に入るビスマスという金属を加熱して融かし、それが冷えることで起こる結晶化現象です。高温での実験となるため注意が必要ですが、家で結晶化を行う人もいるようです。

 予測のつかない階段状の変わった形になることが不思議で面白く、また、結晶の表面に酸化膜ができ、それが虹色の多様な色合いになって、とても美しいです。鉱物好きな人や理科実験好きな人は、知っている人も多い人気の結晶です。

 これらのように、自分で結晶を作ったり、結晶化の変化を観察することは楽しいし、心の癒やしにもなるのではないかと思います。

 さらに、なぜ、こんな形になるのだろう、なぜ、形が変化するのだろう、といった好奇心が湧いてくるかもしれません。その理由を知りたいと思うようになったら、それが、理科や科学の世界への第一歩になります。

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