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高校で必修となる「地理」は、もう暗記教科ではない楽しさがある

明治大学 経営学部 教授 中澤 高志

新しい「地理総合」で推進されるアクティブラーニング

 こうした学びを推進するために、「地理総合」には3つの主な学習項目が設定されました。

 まず、「地図や地理情報システムで捉える現代社会」です。ここでいう地理情報システムには、いまや私たちが日常的に使っているグーグルアースのようなものも含まれます。地図を含め、こうした地理情報をどう読み解くかが学習のポイントになります。

 近年では、統計を地図化するソフトウェアが身近になっており、活用が期待できます。例えば、従来は、数字の一覧表であったり、項目ごとの折れ線グラフや円グラフなどでしか視覚化できなかったものが、そうしたデータを、まさに空間軸に沿って視覚化した、いわゆる主題図が簡単に作れるようになっています。

 すると、地域差がより直感的に掴みやすくなり、なぜ、このデータはこの地域で高く、他の地域では低いのか、その理由に考えを巡らしていくことに力を注げるようになると思います。

 2点目が、「国際理解と国際協力」です。これは、グローバル化していく日本の中で直面する課題を捉え、解決する仕組みを考えようというものです。

 大きなテーマのようですが、先に述べたように、私たちの日常の身近な出来事から考えていくことができます。

 要は、地球とは色とりどりの豊かな世界で、様々なものがあり、その多様性自体を尊び、そこに生きる素晴らしさを知るということです。

 政府は愛国心を養うことを重視していますが、本当の愛国心は、殻に閉じこもる排他的な姿勢からは生まれません。相対的な視点を養い、他を尊重することで、いまここに生きることの意義が考えられると思います。

 3点目が、「持続可能な地域づくりと私たち」です。これは、国連が掲げる持続可能な開発目標SDGsに通じることですが、これも、私たちの身近な問題から考える学びです。

 例えば、自分たちが暮らす町を災害から守るにはどうしたら良いのか。そのためには身近な地域の調査も必要になります。教室を出て、町を見て歩くことも学びになるのです。それが、課題を自ら設定し考える、アクティブラーニングに繋がります。

 このように「地理総合」は、従来の「地理」のような暗記物とは一線を画す学習として考えられています。それを実践できるか否かは、現場の教員の力量と、いわばその出口になる大学入試のあり方に関わってくる部分が大きくなります。それは、私たち地理学に関わる者たちの課題だと考えています。

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