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企業で働いて考えた「会社って何だろう?」
2023.12.20

人生のターニングポイント企業で働いて考えた「会社って何だろう?」

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生のターニングポイント【50】

私のキャリア上の大きな分岐点は、やはり勤めていた会社を辞めて、大学院進学を決めたことにあると思います。

もともと学部は法学部を卒業して、広告などを扱う会社に就職しました。入社して二年は営業を経験し、それから法務部門へ移り、そこで約10年間、企業法務やコンプライアンス関係の仕事に携わりました。

現在、私の専門分野は企業への制度導入や、組織における不正行為の分析ですが、企業の中で働いていたときには、まさにそうした制度をつくったり防止する側でした。

在籍していたとき、会社は大きく成長する時期にありました。海外企業のM&Aや、上場プロジェクトに関わる仕事もしました。

そうして、所属する組織がどんどん大きくなる中で、ふと、これから会社はどこへいくのか、いったい企業にとっての成長とは何かと、私は考えるようになりました。

会社のビジネスモデルが激変し、組織の中身もガラリと変わるなかで、それまで朧げに思っていた「会社って何なのだろう?」という疑問を、もっと学問的に深めたいという気持ちが強くなってきました。

幸運なことに、その会社は、社員が他の仕事やジャンルに挑戦することを積極的に支援していたことも、自分の行動の後押しになりました。

そうして、会社を辞めて、研究者を目指すために大学院に入りました。

30代でしたし、同じくらいの年齢で、研究目的で大学院に入る人はさほど多くはないだろうと思っていましたが、「何事も遅すぎるということはない」と考えました。むしろ、先延ばしにすればするほどスタートが遅くなるだけですから、「今が一番早い」のです。

チャレンジという選択肢を前にすると、今の年齢では遅いとか、早いとか、どうしても自分ではない誰かと比較してしまいがちです。

しかし、誰かと比べてモヤモヤするくらいなら、その分、自分自身を見つめたほうがよい結果につながるのではないでしょうか。

やりたいと思ったなら、今、やってみる。その気持ちを大切にしたいと思います。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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