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働きながら研究することで得た、実務と科学の知見

加藤 拓巳 加藤 拓巳 明治大学 商学部 専任講師

考え方や価値観が変わるほどの出来事に遭遇したら、それは成長へのチャンス。明治大学の教授陣が体験した人生のターニングポイントから、暮らしや仕事を好転させるヒントを探ります。

教授陣によるリレーコラム/⼈⽣のターニングポイント【5】

企業でマーケティングの実務を行いながら、同時に大学院でマーケティングの研究に従事したことが、私のキャリアのターニングポイントでした。

私はマーケターとしてのキャリアを志して、大学卒業後にすぐに三菱電機で働きました。マーケティングの現場で、生きた課題に早く触れたかったためです。

その後、本田技研工業に転職し、企業でのキャリアを歩みながら、元々計画していたとおり大学院に通い始めました。

現場で得た課題に対して、科学的に仮説立案・検証する術を得て、自ら実行する能力を体得することが目的でした。

現在私は、消費者志向のマーケティング戦略と科学的検証の両輪で、実務と研究に従事しています。

企業との活動では、企業ブランド戦略の策定、新商品のコンセプト策定と開発、人工知能技術のサービス化、マーケティング調査サービスの開発、さらには地方自治体の政策立案などに取り組んでいます。

その活動の中で、商品・サービス・技術の科学的根拠を世に示したいというニーズが先方にある場合は、共著で論文を出版しています。

マーケティングは実学なので、ビジネスとの関係は非常に密接です。例えば米国では、大学の研究者が企業と多くのプロジェクトを動かし、企業人も大学で研究することで、ビジネスの成果を上げています。

日本でもそのような動きは増えていると言われていますが、今後はますますその需要は高まると思います。

企業が持つ資産を活かす知見は、大学の研究者が日々蓄積しています。両者の相乗効果が一層発揮され、より良い価値が生まれることを願いながら、私もその一助となるべく精進しています。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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