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経済学との出会いで生まれたモチベーション
2023.08.10

人生のターニングポイント経済学との出会いで生まれたモチベーション

リレーコラム
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教授陣によるリレーコラム/人生のターニングポイント【33】

私のターニングポイントは一般教養の授業で経済学という学問に出会った時でした。
もともと理工系の学問を極めようかと悩んでいた時に、はじめて経済学に触れ、経済学は物理学などと比べて初等的な数学を用いて、無謀にもこの社会を解明しようとしている。そのように当時の私には思えました。

そして私はある意味、この無謀さに強く惹かれたのです。数学を使って、経済という人の気持ちにも関係することを分析するなんて、とても面白そうじゃないか、と。

その後、私は大学院において本格的に経済学に取り組むようになりました。大学院では指導教官の先生のご助言で、経済学の本場であるアメリカで学ぶことができ、こうして研究者になるに至りました。

突然経済学を勉強し始めた頃は少なからず「文系の学問を勉強するなんて変わった人」という目で見られていましたが、あの時の決断は本当によいものだったと思っています。

自分に向いていないと感じてやる気を失うようなら、興味が湧いた違う分野へ思い切って飛び込んでみるのも悪くはない。ひょっとすると、その気構えは大学生だけでなく、ビジネスパーソンの方々の参考にもなるかもしれません。

実際、学問の延長で言いますと、大学の数学科を出て金融の世界でクオンツとして活躍されている方はたくさんいます。あるいは、物理や化学といった自然科学の素養を生かして、社会科学の領域で実績をあげられている方も多いです。

情報処理の技術やデータの分析が重視される現代では、理系の知見はさまざまな事柄に生かせるポテンシャルがあると思います。

理想と現実はなかなか折り合いがつかないものですが、時には仕事の枠組みや役割にとらわれすぎずに、ご自身の興味関心と素直に向き合ってみるのもよいかもしれません。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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