2024.03.21
- 2019年5月31日
- リレーコラム
#1 移動通信システムの“世代”って、なに?
井家上 哲史 明治大学 理工学部 教授アナログ通信の第1世代から、ディジタル通信の第2世代へ
移動通信システムが第5世代を迎えようとしています。最近、マスコミ等でも良く取り上げられるようになってきたので、なにかすごいことが始まると思われている人も多いと思います。
では、第5世代はなにがすごいのかを解説する前に、そもそも移動通信システムの“世代”とはなんなのか。これまでの第1から第4世代とはなんだったのかを振り返ってみましょう。
まず、移動通信の始まりは、諸説ありますが、1950年代に、アメリカのシカゴ警察のパトロールカーで使われたのが始まりではないかと思われます。それが民間でも使われるようになり、1970年代の後半になると、日本でも自動車電話のサービスが始まります。
移動中の車内から電話がかけられるというものですが、なぜ、自動車専用電話だったのかといえば、端末が大きくて重いため、持ち歩くことができず車内に設置したからです。これが第1世代です。
1990年代になると、アナログだったこの自動車電話がディジタル化されます。背景には、LSI(大規模集積回路)技術の進展がありました。
これにより、パソコンが非常に高性能になり、小型化するのですが、同じく、移動通信の端末も小型化、軽量化されていきます。ようやく“携帯”ができるようになったのです。
これによって携帯電話は広く普及し始めます。さらに、ディジタル化によって、音声だけでなく、パケット通信が可能になりました。Webにアクセスし、サイトを見ることができるようになるのです。これが第2世代です。
次回は、第3世代、第4世代について解説します。
#1 移動通信システムの“世代”って、なに?
#2 移動通信システムの進化でなにが変わった?
#3 第5世代は、なにがすごいの?
#4 第5世代でなにができるようになるの?
※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。