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自ら人生設計し、実現させるために必要な学び直し

セカンドキャリアを成功させるためには、前回述べたように、再教育を受けることが必要な中高年の人が多いのですが、裏を返せば、日頃から自分の能力のアップデートをしていないということです。

多くの人は、学校を卒業して就職すると、自分のキャリアを会社に預けてしまいます。あとは会社がなんとかしてくれると思っているのです。だから、その会社のやり方しか身につかず、再教育を受けなくてはならなくなるのです。

私は、「キャリア・オーナーシップ」という言い方をしていますが、自分自身がキャリアのオーナーであり続けるということが重要です。コピーのとり方を覚えるという話だけでなく、最先端の技術にしても知識にしても、常に自ら学び直していくことが大切なのです。

例えば、大学を卒業して就職した後に、改めて学位を取るとか、資格取得のために勉強するなど、しっかりとした学び直しを行う人の割合は、アメリカでは20%を超えていますが、日本では2%にも達しません。

いま、働き方改革により労働時間を短くする傾向にあり、余裕のできた時間で勉強することが期待されていますが、問題は時間ではなく、心がけです。

私は、社会人向けの夜間のビジネススクールであるMBS(明治大学ビジネススクール。MBA(経営学修士)が取得できる)の教員ですが、ここには、むしろ忙しい人たちが来ています。出張や残業もあり、仕事がハードでも、勉強する気がある人は勉強しているのです。

要は、セカンドキャリアが目前に迫る中高年になってから再教育を受けるのではなく、大学を選択する10代の頃から自身のキャリアデザインを描いて学ぶこと、遅くとも、社会人となった20代、30代の頃には、セカンドキャリアを設計し自ら学び続けることが大切なのです。

と、ここまで述べてきて、改めて強調したいことがあります。65歳を超え、70代、80代になっても毎朝満員電車に乗って働きに行こう、と言っているのでは決してありません。もちろん、若い頃と同じように働き続けたいという人もいるかもしれませんが、現役時代のように生活のほとんどを仕事に捧げるような働き方を勧めるつもりは毛頭ありません。自分に合った働き方を設計することを提案したいと思います。特に、一体いくら稼げば十分なのかを見定めて、決してガツガツしないことが重要です。

例えば、大企業などで定年まで勤め上げると、ご夫婦で月23万円くらいの年金が支給されます。しかし、あるシンクタンクの調査によると、余裕をもって暮らすには月36万円が必要です。

多くの人は、足りない13万円を貯蓄や退職一時金を切り崩して充てます。すると、定年後20年間暮らすには、3千万円以上の貯蓄が必要ということになります。

でも、そこで月20万円稼ぐことができれば、貯蓄の切りくずしを後ろ倒しにすることができます。つまり、65歳以降にバリバリ働くことを前提とするのではなく、まずは月20万円程度を稼ぐ方法を考えてみるということなのです。

自分の興味や仕事のやりがいを一切考えないなら、月20万円の仕事は結構あります。コンビニで働いても時間によってはそのくらいの収入にはなります。しかし、お金のためだけでは流石に寂しいので、ある程度のやりがいと満足度を兼ね備えた仕事で、月20万円稼ぐ方法を模索してみるのです。そのために、若い頃から学んだり、人脈を広げたり、将来のセカンドキャリアに備えるのも大切なことでしょう。

自ら人生設計をし、それを能動的に実践すること、これが重要です。

次回は、少子高齢化社会に対応する社会や会社について解説します。

#1 なぜ、定年過ぎても働かなくてはいけないの?
#2 継続雇用でみんなハッピーなの?
#3 どうすれば再雇用に成功するの?
#4 能力があれば誰でも必ず活躍できる?
#5 社会人になっても勉強しなくてはダメ?
#6 高齢者も働きやすい社会になる?

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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