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鑑賞とは別の観点で作品を捉え、自らの糧にしよう

嵯峨山 茂樹 嵯峨山 茂樹 明治大学 総合数理学部 教授

ときに人生の指針となり、仕事のヒントとなり、コミュニケーションツールの一助となる「読書」。幅広い読書遍歴を誇る明治大学の教授陣が、これからの社会を担うビジネスパーソンに向けて選りすぐりの一冊をご紹介。

教授陣によるリレーコラム/40歳までに読んでおきたい本【24】

安藤元雄 編『北原白秋詩集(上)(下)』(岩波文庫・2007年)

作曲のネタ探しのためにいろいろな詩人の詩集を読んだりしますが、なかでも面白いと思うのは、自身の生涯で3回ぐらい作風を変えている北原白秋です。

最初はおどろおどろしい異国情緒あふれる文体で世のなかを夢中にさせ、不倫騒動に巻き込まれて世間に叩かれたあとは凛とした独特のスタイルに変化。

その後、作曲家とコラボレーションし、「からたちの花」の作詞など童謡にも才能を発揮し、美しいことばを紡ぎだしました。

数々の詩の鑑賞を通して私なりに理解したのが、新しいアイデアを考えるという点で詩人は研究者と似ているということです。

新規性を求めて自分のスタイルを打ち出し、それを応用して独自の世界をつくり上げる。こうした過程はまるで理系の研究であり、詩は発明品と言えると思います。

ビジネスパーソンの方も、ときには自分の立場、専門分野の観点から文芸作品を捉えてみてはいかがでしょうか。作品が生み出されるまでの舞台裏に共感したり、仕事に活かせるような新しいヒントを見出すことがあるかもしれません。

※記事の内容は、執筆者個人の考え、意見に基づくものであり、明治大学の公式見解を示すものではありません。

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